そ、空から降谷零が！

本当の姉妹のように ページ35

「は、はじめまして…」
「栞、Aと仲良くするんだぞ。」
初めて会った時すごく可愛くてびっくりしたのを覚えてる。艶やかな髪で、ほっぺが赤く色づいていて。
さっき読んだ白雪姫みたいな女の子だ。
こんな人がお姉ちゃんになってくれるんだ！
最初だけはいいスタートダッシュだったと思う。
父方のお婆ちゃんにあの話を聞くまでは。
「栞ちゃん。Aと仲良くしちゃだめよ。」
『どーして？』
「Aのお母さんは栞ちゃんのお母さんから奪った女なのよ。」
え…？
お母さんとお父さんが離ればなれになったのはAのせい？
カッとなってしまった。
『お前が！！私からお母さんを奪ったの！？』
「えっ…ちが…」
『なにも聞きたくない！！！』

あれから犬猿の仲だ。兄さんもあいつが殺したと決めつけてた。
だけど、違った。
そんなことがわかってから数日後のことだ。
「栞ちゃん。久しぶり。」
『…なんで。』
たった一人の姉が来たのは。
「栞ちゃんと喋らなきゃいけないな、って思ってさ。」
目が赤い。泣いたのかしら？
「もう一度やり直さない？」
え？
いつめ頑なに私を避けてたのに。原因は私なのだけども。
『なんで…』
「うーん、気分？」
そういって笑うAは綺麗だった。
『私あんなひどいこと言ったのに…』
「お互い様よ。私も栞ちゃんと同じだったから。」
同じ…？
『仲直りしてやらんこともない。』
「そこは素直であれよ。」
二人して笑ってしまうのだった。
小さい頃夢見てたかのように。
本当の姉妹のようになれたら、という淡い記憶。
これからでもなれるかな、なんて。

その数日後に私に届いたのはAの訃報。
Aが電車に跳ねられ死んだそうだ。

なんで、？
どうして？
気持ち、悪い。
なんでこうも私の周りは死ぬの？
涙も、声もなにもでない。

それから着々と葬儀が始まり、葬儀が終わった。
『ねぇ、お父さん。』
「…なんだ、」
『私、仲直りできたんだよ、Aと。』
「…そうか。」
『これからいっぱい遊ぶ予定だったの。』
「…。」
『どうして、死んじゃうのバカ姉。』

『Aお姉ちゃん、どうして、』

最初で最後の"お姉ちゃん"
お姉ちゃん、今はどこにいるの？ お兄ちゃんといる？
本物の姉妹にはなれなかった？
涙が止まらなかった。

うおおお栞ちゃん！！なお話です。作者です！ごめんよ、Aは幸せにしてるよ、
まだシリアス続いて次はお父さんのお話です。

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