そ、空から降谷零が！

まじない ページ28

「私の娘には代わりはない。」
父はきっぱりと言った。
『なんでよ。私はずっと父さんを憎んでたのに…！』
「私のせいでもあるからだ。」
唇を噛む。
どうして、まだ娘だと思ってくれてるの？
私はヒドイことをしたのに。
栞ちゃんと何ら変わりはない。
母と重ねたあの女の人を"バカな女"といったが、それは母ではなく、私なのかもしれない。
「こんなことをいうのは変かもしれないが、やり直さないか、」
その神経がわからない。私はあなたを憎んでいたのよ？
サファイアが日の光に反射してきらめく。
…おまじない。
"「きっと、Aには必要なおまじないだ。叶えたいことを指輪に願ってごらん。」"
微笑む兄さんは何を考えていたのだろうか。
"「Aの誕生日は九月だろ？」"
左手の薬指に指輪をつけるのは、結婚や婚約を意味するだけではない。
"願い事を叶える"
私の願い。
最初の願いは"本当の兄妹のように過ごしたい。"
二つ目の願いは"兄を殺したであろう人を捕まえたい。"
"「願いっていうのは欲張っていいんだよ。」"
何処かで兄の声がした気がする。
『…父さん。』
「なんだ。」
『今度、遊園地へいこう。』
昔からの願い。
回りの子達と同じように遊園地に親と行きたい。
私には年の離れた義兄(悠希)がいたけど、やっぱり寂しくて。
憎いはずだったのに。
栞ちゃんとは馬がなかなかあわず仲も悲惨になってしまったな。
「この年で、か？」
『文句ある？』
「いや。ない。いこう。皆で。」
久しぶりに見た父の笑顔とは裏腹にどうしてか泣きそうになった。

『ただいま。降谷くん。』
シンとした部屋に私の声が響いた。
…嫌な予感がする。
『降谷くん？降谷くん！？』
どこを探しても彼はいない。
その日から降谷くんは帰ってくることはなかった。

作者です！いやぁ！やっと親子の仲が良好に転じたかと思いきや降谷くんが消えてしまいます！ごめんよ！シリアスがつづいちまって！
きを取り直して明日は(作成日9.16)夢主ちゃんの誕生日です！作者とおなじ月生まれです！私はもう終わったけど！早いけどAちゃんおたおめ！

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