そ、空から降谷零が！

昔の秘密の名前 ページ14

『じゃあね。いいこにしてるんだよ。』
「墓に向かっていうことはそれか？？？」
『知らないの？夜な夜な動くのだよ、この世界の墓石は。』
冗談だけどな。
「うそだろ？」
『…』
「ほ、本当なのか？」
その顔がおかしくて笑ってしまう。
『ﾌﾞﾌｯごめ。からかいがいってもんがあるね、降谷くんは。』
「一発殴らせろ。」
えっと、私を殺す気か？？
『今夜はなーににしようかなぁ。』
「カレーのルーなら残ってたはずだが。」
主夫？？？
『お嫁にこないか？降谷くん。養うよ。』
「ぜったいやだ。」
何でやね〜ん((

帰ろうと車へ乗ろうとした瞬間。

「ｱﾝﾀｯ…！」

会いたくなかった人がこちらへｽﾞﾝｽﾞﾝ歩いてくる。
何でこんな時間におんねん！
降谷くんには会わせたくなかったな。

『栞ちゃ…』
「あんたなんかに名前で呼ばれる筋合いなんてない。人殺し。」
静かに重くいわれる。
『何度いったらわかるの？私は殺してないわ。』
「まだ犯人も見つかってない！！あんた以外誰がいるの！？」
若いな、この子は。

私も彼女のように感情的になれたのならば。
「誰だ？」
『あのお墓の人の御家族だよ。』
「ﾊｯ貴方のお母さんと一緒でお盛んなことね、このクソビッチ！」
最近の子はお口が悪いよ。

「勘違いしているようだが、俺はAの男じゃないぞ。知り合いだ。」
ありがとう降谷くん。もう少しで私は年下を襲うヤバい女になってた。ﾃﾝｸｽ。
「貴方にいいこと教えてあげる。この女は人殺しよ。」
いやだなぁ。きっと降谷くんだから真実を知ろうとする。
「それにこいつのお母さんは、私のお父さんとの愛人！親も親なら子供も子供。藤代Aには近づかない方がいいわよ。」
なにも知らない癖に。
＿＿藤代A。
その名はもうとっくの前に捨てたのに。
『私の名前は水城Aよ。間違えないで。』
「お兄ちゃんを返せ！」
通じない、伝わらない。これが一番苦痛だ。
「俺は、Aの親のことは知らないが、Aなら知ってる。Aは人殺しなんかじゃない。」

どうして、
もう日は落ちているというのに、
　こんなにも眩しいのだろうか。

「偏見で人をみない方がいいぞ。」
「はぁ！？こいつは変なのよ！」
「変なんかじゃない。いくぞ、A。」
『ｯ…』
暖かい。
まだ夏の暑さ残る9月。
暑いはずなのに冷たい手を握るのは暖かい君で。

降谷くん。
ありがとう。

よくききな。→←気になってたんだ。

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