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『 ね？記念日なんてこれから何回でも来るんだからさ、もう今日は一緒に寝よ？ 』
｢ …いや、ちょっと待って。 ｣
おもむろに立ち上がり、自分の鞄の方へ向かう。
前に付いた小さなポケットに入れた、藍色の箱。
帰り道に寄ったジュエリーショップで買ってきた指輪。
いつか、もっとちゃんとしたものあげられたらいいんだけどな。
｢ …ごめん、一緒に選びに行けなかったけど。 ｣
Aの前で箱を開けると、Aは箱と僕の顔を交互に見て驚いていた。
『 …え、颯、これ……。 』
｢ これから、傷付けることなんて何回もあると思うけど、それでも僕はAしかいない。 ｣
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｢ 今日を、僕達の０ヶ月記念日にしよう。 ｣
『 …颯のくせに、颯のくせにそんなかっこいいなんて聞いてない……っ！ 』
｢ 僕はいつでもかっこいいでしょ。 ｣
そんな冗談を交えながらAを抱きしめると、僕の着ていたグレーのジャケットはどんどんAの涙で濡れていく。
『 ごめん颯、服濡れちゃう…… 』
｢ いいって、今はAを抱き締めたいの。 ｣
『 ……ん 』
少し離れて、Aの目から溢れ出て止まらない涙を親指で拭うと、Aは幸せそうに笑った。
『 …もう私幸せすぎて死んでもいいなぁ 』
｢ ちょっと、不謹慎なこと言わないでよ ｣
『 うそ。颯の奥さんとして、颯におかえりって言うまでは死なない！ 』
｢ それでも早すぎ。 ｣
同時に吹き出して笑うと、パチっと目が合う。
そして、どちらからともなく、引かれ合うように唇が重なった。
｢ …ずっと側にいてくれてありがとう、愛してる。 ｣
『 …私も。 』
｢ ちゃんと言葉にしてよ。 ｣
『 あれっ？我儘な颯くん発動ですか？ 』
｢ …腹立つなぁ ｣
『 ごめんごめん、愛してるよ、颯。 』
喧嘩なんてしてもろくなことがないって思ってたけど、意外と学べる事もあるんだな。
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《 後日談 》
｢ Aちゃんと仲直りできた？ ｣
｢ お陰様で。そういえばさ、その時は突っ込まなかったけど鶴崎なんでAのLINE持ってるの？ ｣
｢ …え、？いや、まぁそれは……まぁ… ｣
｢ まぁ別に何でもいいけど。 ｣
｢ …あっ！水上お前その指輪！！ ｣
｢ …そ、昨日からAは僕の彼女から僕の妻に昇格しました。 ｣
自分の左手薬指に光る指輪を見て、また、幸せが一つ増えたことを噛み締めて、仕事に向かった。
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アルコン型(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませて頂いています（*＾-＾*）最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか？(´・ω・｀) (2019年12月29日 22時) (
レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです（ ; ; ）素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです！！ (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています！いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ！これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツラ | 作成日時：2019年9月5日 22時
