背伸びして__ymmt. ページ19
( yamamoto side. )
『 男子の身長は170cmは欲しいよね! 』
『 彼女より身長低い彼氏はちょっとね(笑) 』
都会でインタビューされている女子高生が映っているテレビを見て、いつもため息をこぼす。
「 170cmかぁ… 」
僕の身長からは程遠い高さの数値を聞いて、気が遠くなる。
『 祥くん、どうしたの? 』
「 ん?え、あぁ…ちょっとね、はは。 」
モコモコのパジャマを着て、『 どうぞ〜 』ってコーヒーの入ったマグカップを置いてくれる僕の彼女は、これ以上望むものがない程いい彼女なんだけだ。
唯一挙げるとすれば、僕より身長が低くあってほしかった。
Aちゃんは、身長が164cmらしい。
女の子の平均よりちょっとだけ高いくらい。
でも、僕との差は5cmで、この壁がでかい、でかすぎる。
「 Aちゃんさ、なんで僕と付き合ってくれたの? 」
『 えぇ、どうしたの突然(笑) 』
今まで好きになった子は、『 デートで隣を歩くのが恥ずかしい 』とか『 私より低い人は嫌だ 』とか、身長が理由でたくさん振られてきた。
「 ほら、僕さ、身長小さいのに。 」
『 身長?そんなの関係ないよ。 』
『 私はね、祥くんが頑張ってる姿が好き、それに、笑顔が素敵な所も。誰にだって分け隔てなく優しいところは、ちょっとヤキモチ妬いちゃう時もあるけど、そんな所も好きだよ? 』
「 改めて言われると照れるなぁ… 」
見た目なんかじゃなくて、中身を見てくれているAちゃんは、きっといい奥さんになれると思う。
……奥さんはまだちょっと早いか。
『 コーヒーで体が温かいうちにさ、寝ちゃお? 』
「 うん。 」
空になったマグカップをローテーブルに置いて同時に立ち上がると、やっぱりAちゃんの方が身長が高いことが気になる。
でも、今を大事にしたいから。
「 Aちゃん? 」
『 ん? 』
Aちゃんが振り向いた時、少しだけ背伸びをしてAちゃんにキスをした。
「 カッコつかないこともあるけどさ、僕は、Aちゃんが本当に大好きだから、ずっと一緒にいてよ。 」
『 言われなくてもそのつもりだよ? 』
「 はは、Aちゃんの方がよっぽどカッコいいなぁ。 」
Aちゃんに勝てる日は、今も、これからも。
訪れないのかも、ね?
・
無理しすぎないで__izw.→←タラレバもほどほどに__kwmr.
727人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時