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タラレバもほどほどに__kwmr. ページ18

( kawamura side. )




『 あー、私がもっと痩せてたらなぁ…… 』

「 いや、あなたがそれ以上痩せたら骨になりますよ? 」




『 河村さんが細すぎるんだ、だから私が太って見えるんだ…。 』

「 とんだ当てつけですね。 」




僕の目の前でうだうだ言っている彼女は、大学の学部がたまたま同じで、たまたま同じ電車に乗っていて、たまたま講義で隣に座っただけ。

そう、たまたまが重なって、たまたま仲良くなった、ただそれだけ。




「 僕だって、昔はもう少し太ってましたよ? 」

『 え、嘘です、そんなの絶対嘘です。 』


「 本当ですって、ほら。 」

『 本当だ……ちょっと丸い…。 』




口に手を当てながら、僕が写っているスマホと、目の前の僕の顔を交互に見る彼女。

失礼極まりないな。
見せたのは僕だけど。






……まぁ、そんな彼女に惚れ込んでいるのも、僕だけど。






『 そっか……いいですね、河村さんの彼女になる人は。 』

「 は?なんですかいきなり。 」

『 だってですよ?こんなに彫刻のような顔を毎日拝めるんですよ?それに、』

「 それに? 」




『 それに… 』



彼女は、少し俯いた。






『 私がもし河村さんの彼女になれたら、これ以上の幸せは無いなぁって。 』






それは、そういう事なのか?
いや、そういう事じゃなかったら逆に何なんだ?







「 じゃあ、なればいいじゃないですか、僕の彼女に。 」

『 は?!いやいやいや、無理ですそんな彫刻の隣を私が彼女として歩くなんておこがましい!!大学に何人ファンがいると思ってます?!両手使っても足りません!いや、むしろ足の指を使っても足りないです!!変な事言ってすみません! 』


「 やかましい(笑) 」




騒がしい彼女の腕を掴んで、グッと顔を近付けた。



『 …え、近っ…… 』

「 どうします?今なら、貴方のようなタラレバ娘の願い、叶えてあげられますけど。 」





『 …河村さんが? 』

「 はい。 」

『 私の、彼氏に? 』

「 貴方がよければ、の話ですけど。 」





『 河村さんは、私が彼女でも恥ずかしくないんですか? 』

「 恥ずかしい要素がどこに 」


『 いやだって、私太ってますし…女子力低いし… 』

「 本当にうるさい口ですね。 」






目の前にある彼女の唇に吸い寄せられるようにキスを落とすと、彼女からも短いキスが返ってきた。





「 それは、" Yes " って事ですよね?A。 」






タラレバも、ほどほどに。







背伸びして__ymmt.→←電話越しに__sgi.



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アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時

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