左耳のピアス__kwkm. ページ11
( kawakami side. )
『 嫌だ!怖い!やっぱり嫌だ! 』
「 もー、何分経ってるんよ。 」
『 私も拓朗みたいにピアス開ける! 』って、ピアッサーを得意げに持ってきて、俺に開けるよう頼んだ。
頼んだ所までは良かったのだが、俺がピアッサーをAの耳元に持っていくだけで、『 怖い! 』って怯えだして、そのループが30分くらい続いている。
「 もう今日はやめとく? 」
『 やだ!開ける! 』
「 ほな早くして、次で絶対開けるで? 」
『 …う、うん。 』
耳元にピアッサーを持っていくと、Aは目をぎゅっと瞑った。
「 はい、いくよー、せーの。 」
そして、バチン!という鈍い音と共に、Aの肩もピクっと上がった。
『 …開いた? 』
「 うん、開いた開いた。 」
『 怖かった〜……。 』
「 はいはい、よく頑張ったね。 」
そう言って、Aを抱き締めて頭を優しくなでると、Aの肩の力がどんどんと抜けていくのが分かった。
『 待って!!!! 』
「 ……うるさ、何よ。 」
頭を突き抜けるような大声で、Aは俺の耳を掴んで叫んだ。
『 拓朗ピアス左耳じゃん! 』
「 え、何?一緒の方開けたかったん? 」
『 私、拓朗と左耳のピアスお揃いにしたかったのに! 』
「 開けちゃったもんはしゃーないやん、右耳でも良くない? 」
『 えー……。 』
「 中世ヨーロッパでは、彼氏の左耳ピアスは守る人、彼女の右耳ピアスは守られる人、って意味があるんやで?それでも嫌? 」
そう彼女に伝えると、暗かった顔もパッと明るくなった。
単純やなぁ。
「 また、お揃いのピアス買いに行こ。 」
『 うん!可愛いやつ! 』
「 ………お揃いって言ってるやん。 」
・
ほろ酔い彼女と伊沢タクシー__izw.→←私も愛してね__sgi.
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アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時