お揃いの終着点__ymmt. ページ8
祥彰くんは、お揃いを嫌がらない。
大学でも絶対にモテるはずなのに
お揃いのネックレスも、携帯のケースも。
遊園地に遊びに行った時だって、「 いいね! 」って、本当は嫌なはずの耳だってつけてくれる。
『 祥彰くん、お揃いとか嫌じゃない? 』
「 全然嫌じゃないよ? 」
ふと、ソファでくつろいでいる時にそう言うと、いつも返ってくる返事は決まっている。
『 祥彰くんもさ、もっとわがまま言っていいんだよ? 』
「 例えば? 」
『 ほら、私にしてほしいこととか、もし祥彰くんがお揃いにしたいものあるならそれでもいいし…! 』
「 えー?僕は、Aがお揃いだーってニコニコしてる顔見るのが大好きだからそれでいいんだけどなぁ。 」
『 でも!私!祥彰くんが甘すぎて!胸焼けしちゃう! 』
「 はは、大袈裟だなぁ(笑) 」
私は、祥彰くんから幸せを貰いすぎて、祥彰くんは幸せなのかなぁ、私でいいのかなぁ、って不安になることが度々ある。
『 不安になるの、祥彰くんは幸せなのかなーって。 』
「 …じゃあ、一つだけわがまま言ってもいい? 」
『 一つと言わず!何個でも! 』
「 実はさ、ずっとお揃いにしたかったものあるんだけど。 」
『 そうなの? 』
いつもお揃いにすると言っても、私があれお揃いにしたい!これお揃いにしたい!と言うだけで、祥彰くんからお揃いにしたいと言う事は一度もなかった。
『 お揃いにしたいものって、なに? 』
「 んーとね。 」
祥彰くんは、自分の後ろをゴソゴソと漁り始めた。
そして、また目の前に差し出された手には
誰が見ても、それが何かはすぐに分かる。
藍色の小さな箱があった。
『 …えっ 』
「 名字お揃いとか、どう? 」
『 …本気? 』
「 こんなこと冗談で言う男なんていると思う? 」
私の目からは、自然と、涙がハラハラと零れ落ちた。
どうしようもなく幸せで。
「 もー、泣かないの。 」
祥彰くんは、パーカーの袖でグリグリと私の涙を拭いてくれた。
『 ……お化粧落ちちゃう。 』
「 Aは何でも可愛いよ。 」
『 ……もう、バカ…。 』
「 バカでもいいから、結婚してくれる? 」
" まぁ、肯定以外の返事は聞くつもりないけどね "
って、少し頬を赤く染めながら、祥彰くんはそう呟いた。
嘘でもいいから__kwmr.→←君の眼鏡をかけない理由__wtnb.
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アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時