ほんの少しの後悔と__izw. ページ16
( izawa side. )
俺はたった今、目の前に置かれた状況にとてつもなく後悔をしている。
会社を立ち上げたことなんて後悔はしてないし、今まで歩んできた道に後悔はしていない。
でもたった一つ、今、後悔した。
「 なんでダブルベッド買ってんだよ俺… 」
『 拓司くんのベッド大きいね! 』
俺の後悔なんてそっちのけで、俺のちょっと大きいスウェットを着たAが目を輝かせてそう言った。
そうだよ、俺がまだ、彼女の " か " の字もなかった頃、疲れを癒すために広々と寝たいという理由で買ってしまった、1人では大きすぎるこのベッド。
でも、彼女と寝るなら別じゃん?
狭いシングルベッドに2人が寝ることでいちゃいちゃできるわけであって、ダブルベッドなんて2人用なんだから、普通に寝られてしまうんだよな。
『 お姫様みたい! 』
大きなベッドを見慣れていないのか、ベッドの淵に座って、俺の方を見てずっとニコニコしてる。
まぁ可愛いからいいや。
「 大袈裟だって(笑) 」
『 私こんな大きいベッド初めてだもん!』
2人でベッドに寝転がると、やっぱり広い。
良い意味でも、悪い意味でも広い。
「 電気消すよ? 」
枕元にあるリモコンで電気を消そうとすると、Aは俺の足にぎゅっと自分の足を絡めてきた。
「 どした?まだ眠くない? 」
『 ううん、寒いだけ。 』
……寒い?
さっき、俺とリビングにいた時は10月とは思えないほど薄着で、『 暑いね 』なんて言っていたのに。
「 A、さっき暑いって言ってなかった? 」
『 ……ん。 』
「 なに、本当にどうしたの? 」
『 ……、って… 』
「 …ん? 」
Aは突然胸に顔を埋めて、モゴモゴと何かを呟いている。
少しくすぐったい。
『 寒いって言ったら、拓司くんぎゅってしてくれるかなって……。 』
こんなに可愛いことを言ってしまうのだから。
俺はきっと彼女に適わない。
「 …もう、本当そんな可愛いこと言わないでよ…今日は手出さないって決めてたのに…。 」
『 私はいいよ…? 』
「 …もうダメだ、ごめん。 」
そうか、たとえ大きなベッドでも、真ん中に2人が寄れば問題ないんじゃないか。
そして、俺が次の日また後悔した事は、Aと朝方までいちゃいちゃしてたせいで次の日の仕事は死ぬほど眠かったこと。
でもまぁ、可愛かったから結果オーライってことで。
・
電話越しに__sgi.→←君だけのプリンスですから__mzkm.
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アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時