10 . ページ10
( fukura side. )
「 ご飯食べ終わったらさ、着替えちゃって。僕、後ろ向いとくから。 」
『 …はい。 』
僕が後ろを向くと、しばらく経ってからゴソゴソとAちゃんは着替え始めた。
例え、どんなに妹みたいに見てきた子でも、2人同じ部屋で着替えられたらドキドキする。
僕だって男だ。
裾を握りしめられた時だって、「 どうしたの？ 」なんて言ったけど、本当は鼓動は早かった。
この状況におかれてドキドキしない男なんて、多分だけど男じゃない。
「 ふくらさん、Aちゃん？入ってもいい？」
ドアの外から、微かに伊沢の声がした。
『 伊沢さんですか？大丈夫ですよ。 』
「 あー、でも風邪移っちゃうかもだね、まぁ聞きたいことあるだけだしここからでいいや。 」
「 ふくらさん、今日オフィス泊まるの？ 」
「 あー、どうしようかな。編集まだ残ってるから、ギリギリまでやって無理そうだったら泊まるよ。 」
「 ん、分かった。 」
それだけを言い残して、伊沢は部屋から離れていった。
『 あの、ふくらさん。 』
「 ん？ 」
『 編集、行ってもらって大丈夫ですよ？わがまま言ってごめんなさい。 』
「 いいの、初めから泊まるつもりだったし、編集なんていつでもできるよ。 」
『 本当ですか？ 』
「 うん。体調の悪い子を放って編集するほど切羽詰まってないから、気にしないで？ね？ 」
『 ……はい。 』
「 Aちゃんは？今日はどうするの？ 」
『 ちょっとしんどくて、帰れそうにないので、明日は丁度講義ないですし、オフィスに泊まろうと思ってます。 』
「 そっか、なら丁度いいね。 」
「 今日は一日看病するよ。 」って。
自分でも言ったあとに少し恥ずかしくなった。
Aちゃんの側にいるのなら、面倒見のいい須貝さんがいいのかもしれない。
もしかしたら、一番歳の近いこうちゃんがいいのかもしれない。
それでも、僕がそばにいてあげたいと思うのは、きっと、目の前にいる彼女のことが心配だから。
ただ、それだけ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たそ。(プロフ) - さつらたん！！！かわいいふくらをたくさんありがとう！！ (2019年9月28日 13時) (
レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - ゆずさん» こんにちは！リクエストありがとうございました！楽しんで書かせていただいています(>_<)最後までどうぞよろしくお願いします◎ (2019年9月4日 8時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 見つけるのが本当に遅くなってしまい申し訳ありません！わざわざありがとうございます。お話、本当にドストライクです、これからも応援しています。！ (2019年9月3日 23時) (レス) id: 8e559af428 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - 小吉。さん» こちらこそありがとうございます（ ; ; ）最後まで楽しんでいただけると嬉しいです！よろしくお願いします◎ (2019年8月31日 1時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
小吉。(プロフ) - ふくら、、さいこーです、、、ありがとうございます、、、、 (2019年8月29日 23時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サツラ | 作成日時：2019年8月18日 23時
