( 慰 ) kwkm. ▽ ページ34
最近、すこぶる調子が悪い。
上司には怒鳴り散らされるし、今まで仲良くしてきた友達とは喧嘩するし、挙句の果てにはヒールが折れたりもした。
でも、そんな私情を拓朗には言いたくはない。
きっと彼は、話せば私の話は聞いてくれるし、寄り添ってはくれるだろう。
重い足をやっとの思いで動かして、いつもより時間をかけて玄関のドアまで辿り着いた。
ガチャリとドアを開けると、「 おかえり〜 」とリビングから声がした。
メイクもボロボロで、ヒールを手に持った状態なんて拓朗に見られたくない。
でも、いつも返す『 ただいま 』の声といつもより遅い時間の帰宅を不思議に思ったのか、拓朗はひょいっとリビングから顔を出した。
「 …え、なに、どしたん。 」
そんな私の姿を見て、駆け寄ってきてくれた。
『 …ううん、何もない。
帰るの遅くなってごめんね、ご飯今から作るね！ 』
「 絶対嘘や、何かあったんやろ。 」
『 …大丈夫、だって。 』
「 それ、俺の目見て言える？ 」
彼が顔を覗き込んだ瞬間、今まで溜まってきたものが溢れ出してしまった。
「 …ほら、無理してた。 」
『 ……っごめん。 』
「 とりあえずこっちおいで。 」
拓朗は私の手を引いて、リビングのソファに座るなり私を膝の上に乗せて、ずっと泣いている私に何も言わず、ただ寄り添って、優しく抱きしめてくれた。
「 落ち着いた？話せる？ 」
『 …うん。 』
「 何があったん。 」
『 ……最近、何も、上手くいかなくて。 』
「 うん。 」
『 でも、そんな事…拓朗に話せなくて。 』
「 …どうせ、迷惑だから、とか思ってるんやろ？ 」
『 …うん。 』
「 そんな事ない。むしろ、もっと頼って欲しい。
年下やから頼りないかもしれへんけど、俺はちゃんとこれからもAに寄り添っていきたい。 」
「 Aは、十分すぎるくらい頑張ってるよ。俺にはもったいないくらい素敵な人やと思う。 」
と、彼はそう言ってくれた。
こんな素敵な人、他にいるだろうか。
そんな彼がたまらなく愛おしい。
「 また泣いてるん、泣き虫やなぁ。 」
親指でまた涙を拭ってくれた。
『 これは、幸せだなぁ、って涙。 』
「 …なにそれ。 」
『 拓朗に出会えてよかった、大好き。 』
「 ふーん。 」と、彼はそっぽを向いてしまった。
バレてないって思ってるかもしれないけど。
そっぽを向く彼は耳まで真っ赤だった。
でもこれは、私だけの秘密。
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サツラ(プロフ) - ゆずさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！なるほど！自分自身、fkrさんはすごく苦手分野で、ご期待に添えるかどうかは分かりませんが力の限り頑張ってみます！ (2019年8月17日 1時) (
レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 短編完結おめでとうございます！どの作品も楽しませて読ませていただきました。もしよければ、fkrさんの長編が読んでみたかったりします。！次作も楽しみにしています。 (2019年8月16日 19時) (レス) id: 8e559af428 (このIDを非表示/違反報告)
アクアべあ(プロフ) - サツラさん» とても素敵な作品でした…！私のリクエストを書いて下さり、ありがとうございました！！ (2019年8月10日 14時) (レス) id: 10db80d5ed (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - 蓬さん» リクエストありがとうございます！プールといえば水着！という私の勝手な解釈であんなお話になったのですが、大丈夫だったでしょうか……？これからもどうぞよろしくお願いします^^ (2019年8月10日 13時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - アクアべあさん» リクエストありがとうございます！こんな感じで良かったでしょうか( .. )伊沢さんがでろでろに甘やかすというより、2人がいちゃつく感じになってしまいましたね……。これからもよろしくお願いします！ (2019年8月10日 13時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツラ | 作成日時：2019年8月1日 14時
