死にたいなって思ってた。【ハイキュー】 (ページ36)

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怒ページ36

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白い、白いベッドの上に、Aはいた。
ベッドの横には、たくさんの医者と器具が並んでいた。

あれ、これってヤバくない?

私の存在に気が付いた医者の1人がこう言った。
“もうあと少しかもしれない”

早く、呼ばなきゃ。
バレー部のみんなを、呼ばなきゃ。
スマホを持つ手が震える。
あれ、LINEのパスワードなんだったっけ、
バレー部のグループチャット、どこ?
なんて、送ればいいんだろう…

焦った私の頭は、なかなか機能してくれなかった。

【深雪:大変なのおねかいだからはやく来て】

【深雪:Aがしんじゃう】

数秒前に送ったメッセージは誤字ばかりだった。
早く、来てよ…

お母さんも、呼ばなきゃいけなかったけど、もうそんな事も忘れてしまうくらいに、私はパニックになっていたんだ。

何焦ってんだろう。
自分が望んでいた事のはずなのに。
死んでくれて、すごく、嬉しいはずなのに。
やっと自分の居場所が手に入るはずなのに。
なんで、泣きそうなんだろう。

「紗倉深雪さんですね?Aさんの事なのですが…」

若い女が私に近付いてきた。
ネームプレートには、佐野の文字。
ああ、この人だ。
佐野花美。Aの主治医だ。

「あと、もって1時間弱かと思われます…」

その、綺麗な顔をぶん殴りたいと思った。
あからさまに表情を作った、その顔を。

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