【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ9)

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第七話ページ9

shk「明日あるパーティで作る料理幹部は必ず一人一品なんか案出せってNakamuが言ってきてさ、急に言ってきたから、美味しいか心配だったんだよ」

『そうなんですね。とても、美味しいですよ。』

それでもこんなに美味しいものを作れると言うのはシャークん様ならではだろう。多分、他の幹部様のも美味しいと思うが、今は目の前の料理に気を取られていいだろう。

shk「ならいいや。色々とありがとうな」

『いえ、侍女として当然のことですから。』

そう、これは侍女である身として当たり前の事。理不尽でも嫌でも、主人の言うことを聞き、喜ばせる。猿でもわかる簡単な事だ。

それなのに目の前のシャークん様は、分かりやすく不貞腐れている。

『…どうか、されましたか？』

もしかして失言をしてしまったのか。シャークん様との会話を思い出しながら、自分がどんなことを言ったか考える。

shk「お前って、他のメイドと違うよな」

『それはどういう？』

shk「他のメイドはこういう所に呼び出されたら基本媚びるんだよ。今までのやつ全員そうだったし」

だから定期的に侍女の人数が減っていたのか。仕事は出来ていて、問題も起こしていない侍女がいなくなる、という事が起こっていたので謎が解けて一先ず胸を撫で下ろす。

シャークん様はサーモンにフォークを刺しながらこちらを見る。

『…侍女として大切な事は主人を喜ばせ、そして守ること。そう、親からもメイド長からも教わってきました。』

フォークを置いて、シャークん様をじっと見る。

『私はただの侍女です。貴方の、シャークん様が喜んで下さる事は出来る限りやります。その中に、媚びは含まれておりませんから。』

好意のない人物に媚びられて嬉しい人類などいないだろう。主人が嫌なことをやるくらいなら、すぐに目の前から消えてやる。

shk「やっぱ面白いのな、お前」

『そう、でしょうか？』

shk「今まで見てきたメイドとは全然違って面白い。だから、主人としてお願い。」

シャークん様もフォークを置き、私と同じようにこちらを見る。

shk「俺の前でだけ、敬語とかやめて普通にしてくんね？俺のこともシャークんって呼んで。」

『…なるべく、善処は致します。』

shk「おう、そうして。」

先程とは一変、シャークん様は普段の頼られる幹部様になっていた。

やはりさっきのあれは、何か愛しいものを見るような瞳は、錯覚だろうとまだ残っているパスタを口に運んだ。