【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ6)

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第四話ページ6

「お疲れ様でした。今日の業務はこれにて終了です。」

〈お疲れ様でした。〉

メイド長が言った後に私達の声が重なる。現在時刻、17時。一部の侍女は残って明日のパーティ会場の飾り付けをするのだが、それ以外の侍女はいつもの業務通り定時上がりだ。

「それでは行きますよ。」

『はい。』

ちなみに、私はその一部。

パーティ会場は食堂を利用する。元々あった机を使い、尚且つ早く料理提供も出来るから、との理由らしい。

「そこにはこのクロスを。あそこにはあの花瓶を」

メイド長が的確な指示を元に私達侍女はそれに従って動いていく。

「貴方はこれを」

そうして渡されたのは花瓶だった。と言っても大きさは先程よりも小さいため、ぶつかることはないだろう。

『かしこまりました。あちらの机で宜しいですか？』

「えぇ、頼みましたよ」

場所も確認し、あとは持っていくだけ。その道中では何も起こらなかった。起こる方がおかしいのだけれど。

『メイド長、次はどのようなことをすれば宜しいでしょうか？』

「では、そちらのテーブルクロスをあの机に敷いてくださる？」

『かしこまりました。』

渡されたのは少し長めのテーブルクロス。腕に掛けても下についてしまうので、両手で抱えるしか方法がない。しかも折りたたまれてる分凄く重い。

『…っと、危ない』

前から来ていた執事の一人にぶつかりそうになり、慌てて避ける。ぶつかったらきっと倒れていただろう。

shk「それ、大丈夫なのか？」

そこには全体像を見ながら執事長やメイド長に指示を出しているシャークん様がいた。
転びそうになる所を見られていたらしく、今日はよくこの方に会うなと思う。

『はい、大丈夫ですよ。少し、転びそうにはなりましたけど。』

shk「…こういうのは男の仕事だろ。」

そう言ってシャークん様は、私が持っていたテーブルクロスを奪い取るように持ったのだった。まさか一日に二回も、幹部様にこのようなことをさせてしまうなんて。そう思い、すぐに止めに入る。

『いけません！花瓶だけでも幹部様にはやってはいけない事ですのに、テーブルクロスまで！』

shk「大丈夫だって。それに指示出すだけなの暇だし」

こういうのはきんときの仕事だろ…、と独り言を呟きながらシャークん様はこの会場一、大きなテーブルに持っているテーブルクロスを敷いた。