【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ43)

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第四十一話ページ43

意識が浮上した。上を向いて眠ったはずなのに、首は全然痛くない。
……そうだ、寝てしまったんだ！
急いで起きようとするも、上手く身動きが取れない。それにここは、ベッド…？

「ん"ぅ…？」

上から唸り声が聞こえ、顔だけ上を向く。そこには、シャークん様がいて、とても、近い。慌てて下を向き、状況を整理する。

私は片付けをしたまま、ソファで眠った。しかし起きたら何故かシャークん様のベッドに寝ており、そして、抱きつかれている。

『……え？夢？』

改めて考えてみたが意味がわからなすぎたので、頬を抓る。痛みを感じたことにより、これが本当に夢ではなく、現実だと証明されてしまった。

『は、やく、行かなきゃ…、』

頑張ってシャークん様の腕から抜け出そうと試みるが、私を抱き枕か何かと勘違いしているのか、全くもって離してくれない。それどころか、更に強く抱きしめられる。

心臓が、うるさい。顔が熱い。おかしい。これは、本当に、おかしい。

『…シャ、シャークん、離し、て？』

ダメ元で、控えめに頼んでみる。起きてないから、意味が無い、のかもしれないけど。

そう、思ってたのに

shk「やっぱ、こういうの嫌？」

妙に目覚めの良い声は、私をそちらに向けるには丁度良かった。目線が合って、慌てて逸らそうとするのに、したいのに、外す事が出来ない。囚われて、動けない。

『い、やという訳では、ないけど…』

shk「けど？」

『……恥ずかしい、ので』

今、自分がどんな顔をしているのかは分からない。ただ分かることは、さっきからずっと顔が熱すぎるくらいだ。

shk「そういうの、ほんとさ…、」

腕の力が更に強まって、シャークんの胸元に無理矢理埋められる。恥ずかしさよりも困惑の方が先に来たので、上を向こうと頑張る。でも、力が弱まるなんてことが無いのでまた埋めてしまう。

『あ、の！シャークん！？』

やっと、上を向いて名前を呼ぶ。するとそこには

shk「ちょ、見んな！」

顔を真っ赤にした、シャークんがいた。なんで、そんな表情をしてるの？私は、この人が好き。だけど、シャークんには婚約者の方がいて、こんなことをするなんて、悪い事だと分かっている。

でも、止められなかった。

いつの間にか私とシャークんは、近付いていて、そのまま、目を閉じた。