【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ42)

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第四十話ページ42

shk「じゃあさ、俺の部屋掃除してくんね？暇だったら、でいいんだけど」

俯いていた私の顔は即座にシャークん様を見るために上を向いた。

『そんな、ただの侍女が、幹部様のお部屋になんて…』

shk「ただの侍女だったら、俺頼まないんだけど？」

どういうことか分からずに首を傾げる。シャークん様は、頭をかいて、顔を近づける。

shk「で？やるの？やらないの？」

『や、ります。』

距離を取って返事をする。手出して、と言われて手を出せば、可愛らしいサメのキーホルダーと緑色の葉を模したアクセサリーがついている鍵を渡された。

間違いない、シャークん様の自室の鍵だ。

shk「んじゃ、頼むわ。」

またな、なんて笑ってシャークん様は部下の方と共に歩き出した。私は、渡された鍵をじっと見つめて、握り込む。

『…とりあえず、シャークん様のお部屋へ』

幹部様の棟へ行くのはこれで三回目。慣れたもので、すぐに着いた。

『失礼、致します。』

誰もいないであろうお部屋に入る。家具自体は何も変わっていないが、本が無造作に床に置かれていたり、洗濯された後の洋服が椅子に置いてあったりしている。

『集中したら、周りが見えなくなるタイプって、言ってたっけ』

それはきんときから聞いこと。シャークん様は一度集中すると周りが見えなくなるらしい。だから暗殺任務もすぐに終わらせることが出来ているのだろう。

『…さて、やりますか。』

袖をまくって、痛む足を無視しながら私は片付けを始めた。

『こんなもん、かな。』

片付けなんて初歩的なもの、幼少期からの癖で慣れていたので直ぐに終わった。ソファに畳んだ服を置き、本はきちんと本棚へ。キッチンにあった洗い物も今は乾燥機の中だ。

『少し、休憩。』

服が倒れないように、ゆっくりソファに座って宙を見る。でも腕で顔は隠している。何だか妙に、疲れた気がする。

『…あ、だめだ、これ…』

薬の副作用は眠くなること。ただでさえ、痛みで昨日は眠れていないのに、今来るなんて。人の三大欲求に叶うはずもなく、私はそのまま、意識を手放した。