【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ41)

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第三十九話ページ41

「ここに来た頃、貴方は「侍女」としては完璧だった。けれど、「一人の人間」としてはどこか欠けていたから。」

メイド長とはこの城に来てから出会ったが、その頃から何かと関わってくれたのはそれがあったからだろう。この人は存外、情に深い。

「だからそんな貴方が誰かの事を考えているのが、少し感慨深くなってしまっただけよ。」

微笑むメイド長は誰よりも綺麗だ、と何度見ても思ってしまう。気品高いメイド長は私たちの憧れだ。

『そう、でしたか。それならば、良かったです。』

何はともあれ、彼を侮辱されていないのならそれはそれで良かった。

「でも、そうね。…貴方に好きな人が出来るとは思わなかったけれど。」

『Nakamu様ですか？』

「いいえ、女の勘よ。」

……やはりメイド長は末恐ろしい。あと女の勘、と言うのも恐ろしい。

『…自分が、恋するなんて思ってもいませんでしたけどね。』

「恋はいい事よ。世界が輝くから。」

『そういうものなんですね、恋は。』

生憎、私はそんなふうに世界が輝いては見えない。だってこの恋は、諦めなくてはいけないから。

「Aさーん！ここはどうすればよろしいですか？」

遠くの方から私を呼ぶ声が聞こえる。

『直ぐに行きます。では、これで。』

呼ばれた方に行く、という逃げるための口実が出来たので直ぐにその場から離れる。メイド長は何も言わなかった。

『はい、そこはそうですよ。』

困っていた侍女に指示を出す。ついでに私も手伝おうとしたのだが

「そんな、Aさんはダメですよ！その怪我が治るまで、安静にしていてください！」

なんて、周りの侍女全員から止められる始末。本当にすることがないな、とため息を吐いた。

「なに、疲れた？」

いきなり後ろから話しかけられ、慌てて振り向く。

『シャークん、様…。』

今から任務に行かれるのか、後ろには部下の方々がおられる。

shk「足、ヤバいくらい腫れてたからもう休んだら？」

『いえ、私は侍女ですので、することがなくて、その…』

暇です、とは言えない。その事を察したのかシャークん様は「あー…」と頬をかいた。
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新作作りました。我慢できずに作りました。

【CR】魔王に気に入られたFPS初心者【Ras】

最近ハマったので、衝動的に書いてしまいました。気になる方は是非。