【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ37)

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第三十五話ページ37

時間は経ち、少し仮眠をしようと思ったら足のせいか現在時刻は17:00。流石に寝過ぎた。
寝る前までは普通だったのに、今は心臓がうるさい。落ち着くために深呼吸をする。食欲はない。けれど何か腹に入れなければ、とシャークん様から貰った紅茶の束を見る。

『リゼ、でいいか』

目に止まった袋を開け、香りを楽しみながら飲む。

『…落ち着けた』

また溜息を吐いて、私は「いつも通り」に戻れた。

『当たり前だけどまだ来てないか』

部屋にいても特にすることが無いので、私は中庭にいた。約束の時間まで30分。仕事が忙しい書記長様はきっと時間通りに来るだろうと、本を読みながら待つ事にした。

kn「遅れて…ごめん」

何故か疲れているきんときがやってきた。現在時刻、19:10。

『別にいいけど、大丈夫？』

kn「大丈夫。追いかけられてただけ」

誰に、とは言わない。大体分かってる。本を閉じて、傍らに置く。何故だが緊張しない。

『…返事だけど』

kn「うん」

『ごめんなさい』

頭を下げて、その言葉を紡ぐ。上げた先の彼の顔はどこか分かっていたのか、悲しく微笑んでいた。

『…好きには、なろうとした。意識もしようと。でも、無理だった。貴方とは小さい頃から一緒にいて、いつも支えてくれてたから』

kn「そっか。それだけで俺は嬉しいよ。」

ごめんなさい。そんな顔をさせてしまって。

『でもね、あの頃は好きだったの』

kn「あの頃？」

『私達が、まだ許嫁だった頃』

近くの茂みからガサガサ音が聞こえたかと思うと「許嫁！？」と、この国の誰しもが知っている人の声が聞こえる。振り向けばそこには、幹部様達がいた。

kn「……ごめん、A。付いてくんなって言ったんだけど」

『何となく気配でわかったから大丈夫』

しゃがみこんで盗み聞きしていた5名は立ち上がり、きんときに色々と尋ねている。

shk「許嫁だったんだ」

『親の口約束みたいなものですよ。私の父と彼の父は、学生時代からの友人でしたから』

nk「ん？許嫁 " だった " ってことは、今は違うの？」

そこの違いに気付くあたり、流石総統様だな、と思う。

『…親は、私達が20歳までに家を出なかったら結婚させる予定でした。ですが、彼はその前に家を出られたので、無効になったという事です。』

kn「ここからは俺が話そうか？」

『いいよ。私が話す。』

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