【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ36)

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第三十四話ページ36

shk「はい、これ」

積み重なった本の山を言われた通り元に戻し、床に置いてある本の数が少なくなった頃、休憩と言われてお茶を貰ってしまった。

『ありがとうございます。』

受けとろうと手を伸ばすがシャークん様は更に腕を上げる。何か、癪に触るようなことでもしてしまったのか、と悩んでいるとシャークん様が答えを言った。

shk「敬語外せって、言ったはずなんだけど？」

その言葉でやっと思い出す。そう言えばあの時、敬語を外して欲しいと言われていたのをすっかり忘れていた。

『…ごめん、職業柄そう言うのには慣れてなくて』

shk「別にいいけど。これからは二人の時はタメにしてくれたら」

『善処は、する』

きんときの様に話せない。それは多分、私がシャークん様を＿＿＿

『終わった…って、寝てる』

床が綺麗になり、本は全て本棚に並んでいる。他にすることはないか尋ねようとシャークん様が座っているであろうソファを見る。

そこには途中まで開いている本、そして眠っているシャークん様がいた。近くのテーブルに置いてある栞を挟んで本を綴じて置く。

『……あの、シャークん、様、起きて…』

流石に「シャークん」と呼ぶのは気が引けて言えない。揺さぶって見るが呻き声しか上げない。

『帰って、いいのか…？』

このまま自室に戻っても何ら問題は無いだろう。悪いとは思うが紙とペンを借りて置き手紙を置いていけば心配される必要も無い、はずだ。

その二つを探そうと足を進めようとしたら、突然手を引かれ、体勢を崩して後ろに倒れ込んだ。痛くなかったのはきっと、シャークん様が受け止めてくれたから。

『あ、の…シャークん、様？』

shk「……行くな。」

『え？』

shk「…行かないで、ここにいてくれ」

後ろから抱き着かれ、心臓が早くなるのを感じる。こんなの、知らない。こんなの、今まで体験したことがない。

『ぇ、あ』

上手く言葉が紡げずに、暴れることすら忘れるくらい動揺していると、それを肯定と見なしたのかシャークん様は私の背中に顔を擦り付けてる、気がする。

このままではいけないと立とうとするが、暗殺隊長に力で敵うはずもなく、更に強い力で抱き締められる。

『シャークん、様』

shk「シャークん」

『…シャークん、お願い、離して』

shk「なんで？嫌？」

『その、そろそろ、医務室に行かないと』

嘘。行かなくてもいい。けどこのままでは、身が持たない。

shk「んじゃ、後でな」

伝わったのか、簡単に離してくれた。