【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ34)

今日:17 hit、昨日:6 hit、合計:97,115 hit

第三十二話ページ34

どう答えるのが正解か、私は知らない。だから、シャークん様の方を向いて

『明日、この場でその答えを出しますよ。』

暑い夏の夜の風は、肌を撫でて心地がいい。私もシャークん様同様に、真剣な眼差しを向ける。彼は何か言いたかったのだろうか。でも、すぐに笑みを浮かべた。

shk「そっか。頑張れよ」

『はい、ありがとうございます。』

いつもと同じ笑顔なのに、その時は何故か胸がズキズキと傷んだ。

自室に戻り、シャークん様から貰った紅茶を飲む。この感情を落ち着かせるにはピッタリで、ほっと溜息を吐く。あの後も腫れた部分は痛み、今は痛み止めを塗って何とか落ち着かせている。

『何故、あんな事を聞かれたんだろう。』

多分、シャークん様には関係の無いこと。否、関係はあるか。友人に恋人が出来るかも、しれないのだから。

『許して下さるなら、どんなに嬉しいか』

少し温くなった紅茶を啜った。

その日は早く起きすぎた。緊張、しているのかもしれない。現在時刻は6:00。いつも起きる時間の20分前。することもないので、着替えて散歩でもする事にした。のだが

『…いった…』

昨日の腫れが今日明日で治る訳もなく、何故か来ると落ち着くという理由から、また中庭に来てしまった。早朝という事もあり、人気はしない。

『ひっさびさに、こんな腫れたな』

スカートを捲りながら溜息混じりに呟く。時間が経てば治ると思うが、その間が問題なのだ。これでは満足に、給仕することもままならないのではなかろうか。
そう思っていると、近くで何かが落ちた音がして振り返る。

kn「……なに、それ…」

顔を真っ青にしながらきんときが近寄ってきた。それにしても彼は起きるのが早いな、とどこか他人事のように思う。

『昨日温室で転んで…』

最後まで言い切る前に、私の体は宙に浮いた。否、浮かされた。理由は明白で、きんときに、抱き上げられてるから。

kn「きりやん確か起きてたよな、今から医務室行くから」

『は、？いや、大丈夫…』

kn「こんなの痛いに決まってるでしょ！無理しない！」

歩き始めたので、私は暴れることも出来ずにそのまま連れて行かれる。

そう言えば昔にも、こんな事があったな、と思い出す。

kn［Aちゃん、大丈夫？］

［痛…ｯい、よぉ…ｯ］

kn［待ってて、すぐに運ぶから！］

あの時はおんぶで手一杯だったのに、今となっては余裕を持った姫抱きをされてしまっている。

月日の流れとは、早いもんだなと思った。