【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ30)

今日:28 hit、昨日:6 hit、合計:97,126 hit

第二十八話 shk視点ページ30

kn「なんで2人はいつも同じところに行くの？」

nk「作戦会議しようとしたらお前らが来たんだろ！離せよ！」

『予防接種終わったらな』

この光景にも慣れたのか、メイドも執事も特に気にすること無く俺らは廊下を歩いて医務室に着いた。多分ノックをしなくても大丈夫だと思ったのかぶるーくが扉を開けた。

br「あれ、先客〜？」

ぶるーくが言うように医務室にはアイツが、Aがいた。ロングスカートで隠れている足を出しており、転んで擦りむいた傷と脛の辺りが腫れている。

「…後は自分で出来ますので、きりやん様は幹部様にお時間を使って頂いて大丈夫ですよ。」

kr「一応俺医者だから君のことを診るのも仕事なんだけど？それにアイツらは幾ら待たせようと大丈夫だよ。」

湿布に包帯、消毒液を器用に使いながらきりやんは手当をしていた。スマイルを掴んでいたきんときがAに近付いた。

kn「…それ、誰にやられたの？」

「…やられてません。少しドジやって、転んだだけです。」

手当をしてもらっているから立てないのか、顔だけきんときの方を向いてAは淡々と答える。消毒液が傷に掛けられるが、全く痛いと思えるような顔も声もあげないで、ただただAは黙って手当をされた。

kr「はい、終わり。念の為にまた昼くらいに来てね。今日は安静にすること、わかった？」

「はい、お手数おかけ致します。幹部の皆様も、お待たせさせてしまい、申し訳ありませんでした。それでは。」

一礼だけしてAは医務室から出ていった。

kr「嫌がらせでしかああいうのって出来ないよね」

湿布のゴミを片付けながらきりやんが呟く。

『…アイツ、嫌がらせ受けてんの？』

kr「真相は俺にも分かんないけど、あんな風に皆の前で告られたら妬まれたりはするんじゃない？きんとき人気だし」

俺らの視線は一気にきんときに移った。頭を抱えたように下を向いて溜息を吐いているきんときに逃げる気も失せたのか、スマイルは「まぁ、悪いのはお前だしな」と冗談半分で責めていた。

kr「きんときもだけど、俺らは一応国の幹部なわけだし、周りからどんな風に見られてるかは考えた方がいいかもな」

その言葉は俺らによく効いて、みんな黙る。きりやんはその間もずっと準備をしている。

kr「今はそんなの関係ないけど。Nakamuからな」

注射器を持ちながら打つ順番を早々に決めているのは流石としか言えない。

因みに嫌がったNakamuは俺らの拘束により動けずに断末魔をあげた。