【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ25)

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第二十三話ページ25

《夏の大三角。ベガ、デネブ、アルタイル。これは…》

真っ暗な空間で、今投影されている星座の説明の声が心地よい。きんときも魅入ってるようで、ずっと上を眺めてる。

私も眺めながら別のことを考えていた。そう、きんときからの告白の返事をどするか、ということを。このままあやふやには出来ない。職場が一緒だし、何より昔からの仲だから、真剣に答えないといけない。

上ではなく、下を向いていると横から手が伸びてきてそちらを見る。少し困ったようにきんときが私を見つめている。

kn「今は上だけ見て」

『…うん。』

考えを汲み取ってくれたのかは分からない。けれどその言葉は、今の私にとっては救いだった。

『面白かったね』

途中からだが、それでも充分楽しめるくらいには面白いものだったと思う。きんときもそう思っているのか、ニコッと微笑んでいる。

kn「そうだね。じゃあ、次は買い物行こうか」

『何か買うものがあるの？』

kn「と言うより、記念かな」

『？へぇー』

何の記念か彼も言いたくないことがあるかも、ということで聞かない事にした。因みにショッピングセンターはこのプラネタリウムと繋がっており、出て直ぐに色んなお店が広がっている。

kn「Aってアクセサリーだったら何が好き？」

『考えたこと無かったけど、ピアスとか？』

ピアスはつける際に必ず耳に穴を開けなければならないため、簡単に取れることは無い。だから何かあった時、色々と便利そうだなと思う。

kn「一応確認のために聞くけどAは耳開けてたりしてないよね？」

『うん、開いてないよ。』

実際は開けたかったのだが、親により止められたので未だ念願は叶っていない。いつか開けたいとは考えているが。

kn「じゃあイヤリングかな」

呟いて、なにか聞く暇も与えられずにきんときは雑貨屋に寄った。そこには色んなアクセサリーがあり、照明のお陰でキラキラと輝いている。
その中できんときはさっき呟いたイヤリングが飾ってあるコーナーで真剣にイヤリングを見ていた。

『気に入りそうなのある？』

kn「うーん、どうだろう。」

自分が買うはずなのに迷う辺り、他の幹部様にお土産でも買って行こうとしているのかな、と思ったがここには女性物のアクセサリーしか置いていない。じゃあ何のために悩んでるんだろ。

kn「うん、似合う。」

一つ、白い花の真ん中に青い宝石が着いたイヤリングを私の耳に当てながら、きんときは微笑んだ。

『…私宛？』

kn「うん。お礼」