【WT】ずっとお慕いしております【shk】 (ページ18)

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第十六話ページ18

「シャークん、様」

shk「何してんのって聞いてんだけど、答えろよ」

何故か怒っているシャークん様からは、殺気と似たような雰囲気が醸し出している。喋よ花よと育てられた令嬢にとってはその雰囲気だけで腰が抜けるほどに恐ろしいだろう。

『…大丈夫ですよ、シャークん様。困っておられたようですのでお話を聞いていたんです。』

shk「じゃあなんで、殴られそうになってたんだよ」

『考え込んでいたので殴られそうになっていたのかどうか少し分かりません。』

苦し紛れの言い訳なのは分かっている。けれどこの方々はこの国にとって必要なのだ。ならば嘘をつかなくてどうする。
シャークん様はため息を吐くと、また淑女の方々を睨み始めた。

shk「二度と俺の前に姿を現すな」

情けない悲鳴を上げて淑女の方々は遠くの方に去っていった。

『…ありがとうございます。助かりました。』

shk「別にいいけど。」

婚約者の方とは一緒におらず、どこか不機嫌なのか未だにシャークん様の後ろのオーラが黒い。

shk「あのさ」

『はい』

shk「…きんときとはどんな関係？」

先程の告白を見ての疑問だろう。確かに私は、この城で彼に関わったことは一度もない。それなのに話し、告白されたら嫌でも気にはなるだろう。

『私の意思だけでは言うことは出来ません。きんとき様にも、許可を頂かないと』

これは私の意向だけで決めてはいけない。これを話すということは、きんときの、彼の過去も話すということになる。

『なので、すみません。』

頭を下げて謝罪する。初めて主人に言われた事を断った気がする。これで気を損なわせて、クビにでもなったらどうしよう。そう思うと手が震える。
私は、自分が思うよりも弱いようだ。

shk「別にいいよ。聞くならきんときに聞くし。だから、頭上げてくんね？」

言われたように頭をあげる。そこには、先程の雰囲気とは一変、優しく微笑んでいるシャークん様がいた。

shk「ただ気になっただけだから。」

『そう、でしたか。』

まただ。また、胸の辺りがおかしい。昨日から、シャークん様にそういう顔を向けられると、胸の辺りが苦しい。

rk「あ、いたいた！」

とても可愛らしい淑女の方がシャークん様に向かって歩いてきた。きんときが言っていた、婚約者の方だろう。

rk「メイドさんと何話してたの？」

shk「別になんでもねぇよ。じゃあ、後で。」

腕を組んで二人は去っていく。どうして悲しむのか、ちょっとだけわかった気がした。