09 ・ ページ9
「ジョンハン、おはよ。」
「ん、はよ。」
この会社を継ぐ気もない。
ジスにすべて任せようと思っていた。
けど、中学のあいつを見て、不安が募ったのを覚えてる。
来る相手を拒まず、それが誰だろうと関係なく、あいつは関係をもっていた。
婚約者という存在に縛られるのが苦しい、それを理由に
あいつは黒い日常を生きていた。
だからいつか、Aも母さんみたいになってしまうんじゃないか、って。
「あのね昨日、夢にハニが出てきてさ…」
中学までは無関心だった。
あの家のことは、俺にはなんの関係もない、そう思って生きてきたけど
最近、考えが変わったんだ。
「…ハニさ、聞いてる?」
……また、大切な人を失うのは嫌だから。
俺はこいつを守りたい。
「えっ…! ハニ? ちょっと、なにして…」
「……ちょっとだけ、抱きしめさせて。……昨日、寝れなかったから…。」
「んふふっ、嘘が下手なのはどっち?」
御曹司の妻としてじゃなく、一人の人として生きてほしい。
今みたいに、ずっと笑っていてほしい。
それが、この結婚でできなくなるくらいなら、
俺がめちゃくちゃにしてやる、こんな結婚。
「……」
「え、今度はなに?」
Aの目に映る俺は、真剣だ。
なあ、A
俺、見せるから
お前に全部、包み隠さず見せるからさ
教えてよ、
お前を、愛してもいい?
365人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くんかりん | 作成日時:2022年11月4日 18時