【SEVENTEEN】嘘の賞味期限 (ページ40)

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「……ほこり、すごいな、」

ちょっとした物置部屋。

というより、もう使わなくなったものを置く倉庫みたいな場所。

私たちが使ってた時は、なんとなく綺麗にしていたけど

ここ最近は、誰も使ってないのかな。

「…ジョンハン、」

私が窓際に置いてある椅子に座って

あなたが入り口に近いその椅子に座るの。

ここで、たくさんお話したね。

恥ずかしいことも、少しばかりした気がする。

それも全部、私の思い出としてしまって置くことにしたよ。

「っ…、はぁ、だめっ…、泣かないって、決めたのにっ…、」

あなたを、この上ないくらいに愛してた。

ジスを愛したのとは、比べものにならないほどにはあなたを愛してたと思う。

ジスを愛してた時、私は彼が後継者になるためにできることを探してた。

だから、私との結婚で彼が後継者になれると聞いた時は、すごく嬉しかった。

けどそれは、彼の努力を報うためにできることでしかなくて

あれが本当の愛かと聞かれれば、即答はできなかったと思う。

だから、ジスが後継者になるために婚姻を求められている今私は

さほど苦しくないのも事実で。

前となんら変わりのないこと。

少し前の自分なら、進んでやろうとしてたことなのに。

「っ…じょん、はんっ…、」

今の私には、ジョンハンというかけがえのない存在ができてしまった。

しかもそれは、今まで好意を寄せていた彼の双子の兄で。

絶対に関係をもってはいけないことは、最初からわかっていたのに

こんな結末になることくらい、最初からわかっていたのに。

“好きなんだ、ジョンハンが”

その一言を境に、崩れていった私たち。

体を重ねたこともあった。それも一度きりじゃない。

私たちに、終わりが来ることはわかっていた。

でも神様が、少し微笑んで

私たちに最後が来ないなら、その時私たちは

私たちが笑っていることを望んだんだ。

たった一つの望みも、簡単に叶う世の中じゃないけど

私はジョンハンを、愛していたかった。

でもそれももう、終わりにするね。

愛してたよ、ジョンハン。

あなたを忘れたいよ、ジョンハン。