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高校1年生になって、まだ3か月しか経たないけど、それまでも一緒にいたからわかる。
ジスはなにが好きで、どんなことで喜ぶのか。
ジョンハンはなにが得意で、どんなことを嫌うのか。
それでも、皆目見当もつかないことが、昔から変わらず一つある。
______ジョンハンが考えていることは何か。
それだけが、いつも私を悩ませた。
・
「ねえ、ジョンハン! パパとママのこと好きー??」
幼い頃、ジスと私から離れて、一人ブランコに座るジョンハンを思い出す。
「…は?」
「ジョンハンのパパとママって優しいよね!」
無邪気にそう言った私を睨みつけた彼は
その場に立ち、私を見下ろしながら
「…俺に関わんな。干渉すんな。」
「…ジョンハン、?」
そう言って去って行った彼の背中を、私は今でも夢に見るくらいには鮮明に覚えている。
あの、寂しそうな背中を。
その時は、難しい言葉の連続で、それがどういう意味かなんてわからなかった。
けど、小学校に入ってから、家庭教師の先生に聞いて初めてわかったジョンハンの言葉。
その時、人生で初めて抱いたあの感情を私は忘れることはない。
「…はよ。」
「……えっ、あ、ジョンハン…、おはよ。」
さっきまで考えていた人が突然現れると、どうしても戸惑ってしまう。
「…なに。」
「…え? あ、いや…、今日ジスは一緒じゃないの、かなって…」
「…は、聞いてないの。」
聞いてないのって、連絡はなにもなかったし、
昨日の夜だって、また明日ね、って言ってたし
「…ふっ、お前 捨てられたわけ?」
「っ…なに、言ってるの。」
捨てられた、ってそんな、ジスとはもう会えないの?
今までのジスは、もう見られないの?
「普通、婚約者に学校行かないことくらい連絡するだろ。」
なのに、来てないんだろ?と、嘲笑う彼がそこにいた。
私がどれだけジスのことを愛してるのか、ジョンハンは知らないんだ。
ジスが私じゃない女の子を見てることを知ってもなお、私はジスを愛してる。
そんなことに比べれば、連絡が一つないことくらい、なにも怖くないの。
「…私はジョンハンが嫌いだよ。」
「は?」
「いつもそうやって私が気分を悪くすること言って、なにか楽しいの?」
ずっと、わからなかった君の頭のなか。
この質問で、なにか変わるかな。
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作者名:くんかりん | 作成日時:2022年11月4日 18時