【SEVENTEEN】嘘の賞味期限 (ページ30)

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あの日、私とジョンハンは初めて "言葉" で繋がった。

今までみたいに、なにも言わずに抱きしめるとか

気持ちを隠しながらキスをするとか、そういうのじゃなくて

私たちはちゃんと、お互いの言葉で繋がったの。

けど、それは

決して誰にも知られてはいけなくて

私たちは、これからその気持ちを消すことだけを考えなくてはならない。

それなのに、同居だなんて。

おかしくなってしまいそう。

〈ピンポーン〉

きっと、ジョンハンが来た。

「…A、」

「これからよろしく、ジョンハン。」

家に入って、まずは2人でルールを決める。

「"これだけは絶対にいや"、なにかある？」

考える素振りを見せる彼。

こうして正面から、ちゃんと顔を見たのは久々かも。

私にとって愛しい存在に変わってから

あなたはより美しくなった。

そして同時に、もっともっと、失うのが怖くなったよ。

「料理しよ。」

「え？」

「一緒に料理したい。」

ねえ、ジョンハン、話聞いてた？

されたら嫌なことを聞いたのに、したいことで返してくるなんて。

「んふふ、わかった。一緒に料理しよ、ハナ。」

これから彼との明るい思い出が積もっていくと思うと、

私の胸がこの上ないくらいに跳ねるのに

「…でもさ、」

私たちは

「忘れていかないとね、俺たち。」

そんな楽しい戦場にいない。

「…うん、そうだね。」

楽しい記憶は、残したくないのに。