２６ ジョンハンside ページ26
“Aは僕のもの、わかってるでしょ？”
俺の耳元でそう囁いたあいつを殴りそうになった。
それを避けるべく勢いであの家を出てきたけど、
俺、本当にこのままAを置いてここを離れてもいいのか？
俺のいない間に結婚式まで開かれて、Aになにかあったら誰が守るんだ？
そんな俺をお構いなしに、迫ってくる飛行機の搭乗時間。
でも、残ると言ったって、俺には友達もいないし行く当てもない。
もし俺の存在がバレれば、父がAになにをするかわからない。
「…いや、俺は…、」
今の俺には、もうあの人しかいない。
ジョンハンside 終わり
【着信 ユリ】
「もしもし、ユリ？」
「いやー、あのさ、なんで？」
「ん？ なにが？」
ユリside
私は、ユン・ユリ。
Aの親友やってます。
今日も今日とて、穏やかな休日を過ごしていたのだけど…
それは一つのインターホンの音から始まった。
「はーい」
宅配かな、と玄関を開けて固まった。
「…ちっす、」
「…は？」
そして1回戸を閉めた私。よくやった。うんうん。
「いや、閉めないで？」
いや、なんか向こうから開けてきたんですけどー！？！？
どうなってんのお宅の教育、と言いたいところだけど
かなり良いご家庭で育ったことは誰もが知っている。
だって、彼は…
「なっ、なんっで、いるっですか…ユン・ジョンハン…様、」
「ジョンハンでいい。」
いやー、ほんとになんで？
Aの仕業？
それなら今すぐAに…、
「今は、待って。」
携帯を出した私を止めた彼。
「…まあ、中でお茶でもどうぞ…」
こんなの、中に入れるしかないじゃんか！
これからなにが起きることやら…
「泊めてほしい。」
「っぶーー！！」
うっわ最悪…。
ジョンハン様のお顔にお茶噴き出しちゃった…。
てへっ☆
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作者名：くんかりん | 作成日時：2022年11月4日 18時
