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医務室 ページ8
残ったクッキーを丁寧に袋に詰める。
食器棚から真新しい金縁の皿を取り、調理場を後にする。
そしてそのまま医務室に走る。
Aさんに付き合って嫌々ながらも走り回ってて良いこと有ったかも……。
近道を体が覚えてる。
「森医師！萩原ユキ入ります！」
ノックもそこそこに、美しい装飾を施された扉を押し開ける。
「森医師！Aさんは……」
こちらを振り向いた森医師は、そのまま微笑んで目でAの眠る寝台を示した。
「疲れちゃったんだろうね。良く眠ってるよ。」
その言葉に安心したのか、疲労感が急激に身体を襲った。
「ユキちゃんも其処に横になると良いよ。ずっと緊張していただろう？今からする話は長くなるから、Aちゃんが起きてから話すつもりだ。だから、其れまでの間、少し休み給え。」
森医師の声を聞きながら、少しずつ夢の世界に片足を突っ込んでいた私は、寝台のふかふかした枕の温もりを頬に感じると同時に短い眠りについた。
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作者名：あおい | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/konchawa/
作成日時：2020年4月29日 0時
