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人形 ページ4
森医師がそういった理由はAがクッキーの生地を冷やし終わって、形抜きを始めたからであった。
「ユキちゃん、Aちゃんを手伝ってあげたら?」
そう言った彼は私を気遣ってくれたのだろう。
私は当時、Aの監視役であり、未だどの班にも所属していなかった。
しかしそれでもポートマフィア構成員であることには間違いが無くて、その先の人生もポートマフィアとして、闇の住人として生きていく事が確定していても、私は未だ15歳の女の子だった。
「ありがとうございます、森医師。手伝って参ります。」
調理場にAと並んで立つが、彼女は一向に反応を示さない。
唯黙々と小さな手で生地に木馬や星や天使などの可愛らしい型を押し付けている。
其の瞳には依然、光が無い。
手伝おうにも、何とも無駄の無い動きである。
まるで何かに操られて居るようだった。
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作者名:あおい | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/konchawa/
作成日時:2020年4月29日 0時