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「アイツの親は、今、どうしてる？」
「彼らは生きている。たった一人の娘の身を案じながら。いつか迎えに行けたら、でもきっと行けない。組織を裏切ったことになっているから。そう思いながら。」
裏切ったことになっている。
裏切った筈だ、先代首領の率いるポートマフィアを。
「一つだけ答えろ。テメェの目的はなんだ。」
「ポートマフィアの糾弾は目的ではない。死ぬ前にポートマフィアの御仁と話をしたくて、わざと焚き付けるような真似をした。ユキは元気か？萩原ユキ。」
知っている名前が飛び出してくる。
「何でアイツの事も知ってやがる？」
「赤ん坊だったユキをポートマフィアに連れて行ったのは私だ。生きているようで良かった。他の子供達は状況を理解していたけれど、ユキは違っていたから、心配だった。」
首領は知っていたのだろうか。
この老人と俺に、共通の知人がいる事を。
もし知っていたのなら、相当な性格の悪さだ、とぼんやり思った。
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作者名：あおい | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/konchawa/
作成日時：2020年4月29日 0時
