少女・十三歳 ページ12
私は異能力者。
私はポートマフィアの一員。
私は裏切り者の娘。
私は……13歳の女の子。
年齢に対して、少し、いやかなり言動が幼かった私、AAはこの2年間でかなり立派に成長したと自負している。
まぁ立派に成長したのは精神面の事で、身体的にはかなりの虚弱体質と化したのだけれど。
2年前の私よ、少し体力を分けなさい。
2年前のあの日、ユキちゃんと遊んでいる時に、私の異能力は初めて発動した。
初の異能で疲れ果てて、いや、あれは疲れ果てたなんて生温いものじゃなく、文字通り私を操っていた糸が切れたかのように倒れて、目を覚まして、森医師…首領から聞いた話には本当に吃驚した。
私が、異能力者……?
その後、いろんな事を聞かれた。
何か覚えている事はないか。
何か不思議な感覚はなかったか。
今度エリスちゃんと遊ばないか。
覚えていることなんてほとんどなかった。
あのクッキーを自分が作ったなんて信じられなかった。
覚えているのは、不思議な異国の音楽。
耳の奥から流れ出した。
君の異能力は【告ぐるうた】だよ。
森医師にそう名付けてもらった日から、私はこの力と生きてきた。
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作者名:あおい | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/konchawa/
作成日時:2020年4月29日 0時