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少女・十一歳 ページ1
「ねぇねぇ、ユキちゃん、お菓子作ろー!!」
「良いですけど、レシピはご存知なのですか、Aさん?」
「れしぴ……?」
あれは、私が15歳、Aが11歳の時だった。
いつも暇で暇で、ビルの中を走り回っては怒られていた。
そしてあの頃、私は未だ、彼女に敬語を使っていた。
そんな中でAが考え出した遊び。
それがお菓子作りだった。
「一寸待っていて下さいね、直ぐに調べてきますから。何が作りたいのですか?」
「くっきー!!こーよーさんがくれてね、ちゅーやにいといっしょに食べたの!!作りたいなー!!」
「それは良かったですね……Aさん?」
私もレシピを知らなかった。
だって、物心ついた時から此処に居たから。
親の顔は知らないけど。
だから探しに行こうとしていた。
女性構成員の誰かに聞けば分かるだろうと思って。
でも、そんな事をしている余裕はなかった。
Aの瞳は光を失っていたのだ。
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作者名:あおい | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/konchawa/
作成日時:2020年4月29日 0時