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鈍感ラバーズ・3 ページ8

*


「だ…………」

「ありゃ、マジで自覚なかったんだ? Aは知ってたんだよネ、まあ一回くらい私服で会っててもおかしくないし」

「…………」

「いやーさすがにアレはないって英太くん。皆気遣って黙ってたけど本当にアレはない」

「…………」

「英太くんー? 聞いてる?」


英太くんが黙ったままこちらを向くので思わず視線を逸らした。今回だけは天童を称えたい。言いたいこと全部言ってくれた。

英太くんの私服のダサさ、まだ二回しか見ていないけど保証できる。一回目は偶然で、二回目はデートした時だった。

ずっと目を逸らしているわけにもいかないので、ぐっと我慢して(何をだ。何かをだ)私は英太くんに深刻な声で訴えた。


「……一生のお願いだから。英太くんからしたら相当ショックなこと言われてるのかもしれないけど、早めに気づいてもらえて良かった。天童ありがと」

「いやーそれほどでも!」

「お願い。もう他にお願いしないから。これだけは本当に、私の命に関わる」


ごめん英太くん、と心の中で呟いた。ちゃんと言えたらいいんだけど、そこまで勇気がなくて。


正直私服の英太くんの隣に立ちたくない。詳しくはちょっと色々持たないから説明できないけど、とりあえずアレはない、と天童の言葉を借りておく。

落ち着こうと思って息を吐いた。隣では天童が「ほらー早く解決策考えないとデート行けないよー」なんて茶々をいれてくる。その通りだ。


「……A」

「なに?」


英太くんの声がして、特に何も考えずに顔を上げた。英太くんの、……少し言いづらそうにしている顔が、目に入る。

どうかした? と思って首を傾げた。

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作品ジャンル:アニメ
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スマトラ島のラフレシア(プロフ) - ★マチャキ★さん» 好きだったらだいたい書いてますよー。 (2016年7月20日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
★マチャキ★ - 照ちゃんあった!! (2016年7月19日 20時) (レス) id: a549331ee4 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» そしてお察しの通り、及川さん大好きです。色々書きたくなるので、最初と最後に入れてるだけなんですけどね。前作も前々作も読んでくださってありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» コメントありがとうございます!とんでもない、長文コメント最高に嬉しいです…!!私も実は「この続き書きたいなぁ」なんて毎回思ってまして、うーん……したい、ですねぇ……(笑) (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
彗華@京都へ行きたい (元:凰華)(プロフ) - 前作、前々作を見て思ったのですが【及川さんで始まり及川さんで終わる】というループみたいなものが出来ているように感じました。作者様は及川さんが好きなのでしょうか?更新頑張ってください。応援しています!(長くなってしまいすみません) (2016年4月17日 22時) (レス) id: 4e64820097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年4月14日 18時

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