【ハイキュー!!】いつの日の道はこれから【短編集】

君はひまわり・２ ページ36

*


「マジで姉ちゃんバレー部だったの!? 姉ちゃん雪ヶ丘中だよね、じゃあおれも中学入ったらバレーできるんだ!!」

「あー、うんー、がんばれー……」

「じゃあA姉ちゃんと練習できる!? うわー、やったあ!!」

「…………」


一瞬とある現実が頭をよぎったが、やめておこう。まだ幼い日向翔陽君の夢を壊すわけにはいかない。

……言えないよねえ。男子バレー部、私の同級生が卒業したら部員0人だなんて。
いや、でも運良く翔陽と同時に5人か6人入部したりして。まだ希望はあるじゃない。


「おれバレーボール借りてくる!!」

「……翔陽、お姉ちゃんは私立入試終わったばかりでこれから公立なのよねうん」

「……あ、そっか……」


しょんぼりとする翔陽に、少し申し訳ないと思っても。

まあ受験終わったら少し付き合ってやらないでもないかなあ、と思ったら、急に翔陽が青ざめた。

……なに？


「しょうよ、」

「じゃあ、お、おれが入学したら、姉ちゃんもう卒業してるんだ!?」

「……今更？」


お姉ちゃんは翔陽が心配です。


*


「A姉ちゃん!! バレー部ないんだって!!」

「……うん、ごめんそうなんだよね」


結局、翔陽が入学しても男子バレー部に部員は増えなかったらしい。それらの話は、制服姿で走ってきた翔陽からざっと聞いた。

でもうちの弟はめげないらしい。他の部の友達に時々練習を手伝ってもらったりしていて、バイタリティの塊かよって感じだ。

私は私で慣れない高校生活を過ごしている。部活は相変わらずバレー部だ。


「ま、バレーもいいけど勉強もしっかりしとけよー」

「うっ……勉強わっかんねえんだもん」

「言い訳しない。後で後悔するかんね」

「あっそうだ！ ねえ、姉ちゃんちょっとだけ練習付き合ってよ!!」

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