銀色の指輪・3 ページ30
*
「A? ……何やってんだ?」
「えへへ」
零れる笑いを抑えきれずに、私は一ちゃんに左手を見せる。
左手の薬指にはめた、銀色の指輪に。
一ちゃんは瞬きをして、意外そうに口を開いた。
「……何だ、それ」
「残念、一ちゃん覚えてないの?」
「全く」
「もー。これね、一ちゃんがくれたんだよ」
一ちゃんは驚いたように目を丸くする。ホントに覚えてないんだ。
これね、と指輪を見ながら、私は彼に説明した。
「小学生の時に、一ちゃんがくれたんだよ。図工かなんかで針金使って、余ったからって」
「へえ……」
「その時は、何を基準にしたんだろってくらい大きくて、指に通してもぶかぶかだったんだけどね。――ほら」
もう一度左手を差し出して、思わず笑う。
「今なら、ピッタリだよ。左手の薬指に」
『左手の薬指』には特別な意味がある。
一ちゃんの反応が見てみたくて、半分は冗談でそう言ったんだけど。
「……それ、本当にピッタリなんだな」
「うん。びっくりするくらい」
一ちゃんは私を一瞥して、それから言った。
「――なら、そのうちもっと良いやつやるよ。薬指に嵌るやつ」
「……うん、…………うん?」
意味がいまいち届かなくて、俯いてから顔をあげると、一ちゃんったらそっぽを向いていた。
……ごめんね。見えてる耳、真っ赤だよ。
「一ちゃんっ! それはアレですか、あの、将来性を鑑みた確約のうんたら」
「うるせー、勉強してんだ」
「できないよっ! 今この状態で勉強なんかできないよっ!!」
「元々しようともしてなかったクセに」
鈍く光る銀色。
その宣言が現実になるのは、きっと、そう遠くない未来のことである。
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岩ちゃんHPB!!
というわけでかつての夢主また引っ張ってきました。どっこいせ。
あの子結構気に入ってたんですよ。
「大好き〜ではテンション高い子」です。あの時は及川さんと張り合ってたのでうるさかったんです。今は岩ちゃんと二人きりなのでちょっと緊張してます。
幼馴染で使えるネタ、「過去の思い出」。それがやりたかっただけ。
岩ちゃん! これからも大好きです!
6.10
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スマトラ島のラフレシア(プロフ) - ★マチャキ★さん» 好きだったらだいたい書いてますよー。 (2016年7月20日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
★マチャキ★ - 照ちゃんあった!! (2016年7月19日 20時) (レス) id: a549331ee4 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» そしてお察しの通り、及川さん大好きです。色々書きたくなるので、最初と最後に入れてるだけなんですけどね。前作も前々作も読んでくださってありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» コメントありがとうございます!とんでもない、長文コメント最高に嬉しいです…!!私も実は「この続き書きたいなぁ」なんて毎回思ってまして、うーん……したい、ですねぇ……(笑) (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
彗華@京都へ行きたい (元:凰華)(プロフ) - 前作、前々作を見て思ったのですが【及川さんで始まり及川さんで終わる】というループみたいなものが出来ているように感じました。作者様は及川さんが好きなのでしょうか?更新頑張ってください。応援しています!(長くなってしまいすみません) (2016年4月17日 22時) (レス) id: 4e64820097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年4月14日 18時