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自分を落ち着かせるようにビールを何杯か飲み、宮城の頼んでいた鶏唐揚げを食べようと宮城側のテーブルに目を向ける。
するとまだ食べており、もう1つしか残っていなかった。
そんなに美味しいのかと思い宮城を見ると、頬をいっぱいにしてもぐもぐと唐揚げを頬張っておりハムスターみたいだなと思っていると、秦野の視線に気づいたのか宮城もこちらへ向き直る。
「美味しい?宮城」
「うまいっす、これ」
「、ぁ、食べますか?」
かなり美味しいらしく秦野に目を合わせ問われると、ニコニコと愛らしい笑顔で答える。
すると、秦野が最後の1つとなった鶏唐揚げを見ていることに気づいたのか、少し名残惜しそうに鶏唐揚げを差し出し秦野に問う。
今度は犬のように耳としっぽが見え、しゅんと耳が沈んでいるように感じ胸が苦しくなってしまう。
これがオリメン上位の威力なのかとヒシヒシと感じる。
「美味しいんでしょ?食べたかったら頼むから。」
「いいんすか?」
「うんいいよ。宮城が食べな」
ありがとうございます、食べたかったら言ってくださいね呼ぶんで
と言うと口の中を元に戻すように烏龍茶で流し込み、嬉しそうにして最後の鶏唐揚げを口に含む。
そんな宮城を微笑ましく見ていると、聞き覚えのある声が耳に入ってくる。
宮城が座る通路側を見ると、眩しいほどの金髪が目に入る。
「おつかれっす、秦野さん」
「すみません遅れて」
「おつかれ、別に大丈夫だよ」
山崎、山本と順番に秦野に声をかける。
秦野の前に山崎、宮城の前に山本が座り、メニューを取り手始めにビールであったりという飲み物を頼むと、各々食べたいものを注文した。
そして落ち着いたかと思うと、宮城が前の山本に対し話しかける。
「ここの鶏唐揚げめっちゃ美味いっすよ」
「うわー頼んどけばよかった」
さっそくここの鶏唐揚げが美味いという話をし始め山本がそれに対し、てか先言えや と笑いながら返すなどいつも通りの会話をしていた。
秦野と山崎はというと、山崎からすると特に何もないのだろうが秦野からすると先程のメッセージの真相が気になり、いつもと同じように山崎と話そうと思ってもなかなか言葉が出てこなかった。
そんなこんなでビールなど飲み物類を筆頭に、山崎たちが頼んだツマミが届き飲み会が本格的に始まった。
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作者名:浪人生 | 作成日時:2024年3月19日 20時