#3 連絡 ページ7
「秦野さん、どーぞ」
「ありがと。宮城は飲まないの?」
「いや、俺はいいっす」
注文したビールを通路側の宮城が秦野に渡す。
まだ山崎と山本は来ていないようで宮城と先に席に座り、食べ物を注文していた。
宮城はお酒に弱いのか烏龍茶をちびちび飲んだり、
頼んだ鶏唐揚げを食べたりと、飲み会というよりただ晩御飯を食べているような感じだった。
そんなスマホを弄る宮城を横目に、さっそく頼んだビールを一口飲む。
「2人いつ来る?」
「もう少しで来ると思いますよ、あ、ちょうど連絡きた」
そう言い宮城は秦野にスマホを見せるように渡す。
山本と連絡を取りあってある画面のようで、今通り着いた とおそらくここの店の通りに着いたとの連絡が入っていた。
そして そういちもいっしょ と急いで打ったのか平仮名になっており少し可愛いななんて思ってしまう。
そうしてスマホの上側を持ち宮城に戻そうとしたとき、持ったと同時にスマホ上部に通知が来て運悪くタップしてしまう。
すると画面は変わらず同じ連絡の通知だったようで、宮城に一言謝りを入れ返そうと、持ち直したとき思わず連絡内容が目に入ってしまう。
「ぁ、ごめ」
この時間帯のガヤガヤとした居酒屋内のため宮城には、謝ろうとし途中で止めた秦野の声は届いておらず、好みの味だったのか夢中で鶏唐揚げを食べている。
スマホの画面には、秦野さん何してる? と颯一さんと書かれた人物から一言。
おそらく山崎からの連絡であると思われるそのメッセージが自分のことだからというのもあり、嫌に目に入ってしまい、なぜこんなことを聞かれていたのかが気になってしまう。
だが罪悪感からか、秦野は素直に謝って宮城に返そうと思った。
するとピコンと音がして、また追い打ちをかけるように連絡が届く。
山崎から 宮城? と既読が着いているのに返信が無いことに心配しているようなメッセージが届く。
秦野は遂に見なかったことにしようと山崎の画面から、山本のメッセージ画面へ戻す。
そして宮城へ元のように返す。
「宮城、ありがと」
「ん、ぜんぜん。」
そうお礼を言うと、秦野からスマホを受け取り画面を消しテーブルを置く。
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作者名:浪人生 | 作成日時:2024年3月19日 20時