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すると山崎はまだ諦めていないのか、しつこく同じ山崎なのになぜ自分ではなく福也なのかと聞いてくる。
それに反応せず毎回無視していると、
しゃがみこんだかと思うえば、自慢の筋肉が発達した両腕で秦野の腰辺りに抱きついてきた。


そろそろ打順が回ってくるため山崎を振りほどき歩こうとするが、山崎はビクともしない。

秦野もさすがの山崎に叶うはずもなく、なかなか振り解けないでいた。



「言うまで離しませんからね」



そう駄々をこねる山崎。

そんな山崎に呆れたのか、秦野は理由を考えようと山崎を引き剥がすのを中断する。


だがそんなことを言われても、
山崎ではなく福也を選んだのは、理由を言わなくとも一目瞭然のことであり理由を考える方が難しかったのだ。

そしてなんとか公平を保てるような理由を探していると、遂に打順が回ってきてしまう。
山崎もさすがに練習の妨害になるため腕を離そうとする。

すると秦野が一呼吸空け口を開く。



「、まあ、颯一はまだ若すぎるよね」
「まだ経験が足りないから。」



そう言い残すと小走りでグラウンドの中央へ向かう。

山崎は唖然として、絶対に埋められない歳の差そして経験の差を思い知らされた。

容姿や内面などの部分であればまだ山崎にもチャンスはあったが、年齢や経験となるとどんなに努力をしようと埋めることができない穴があった。


そしてらしばらくバッディングをする秦野を見ながら、傷心していた。

するとフェンス越しのファンたちから声をかけられ慰められる光景を宇田川が遠くから笑って見ており、
その光景を撮られストーリーに載せられたことによって、後日福也などの他チームメートにからかわれるのであった。

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作者名:浪人生 | 作成日時:2024年3月19日 20時

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