１１話：高人凛：オリジン ページ11
凛side
ドッと音がし、目の前の光景に目を見開くAと私。
父が驚いたような顔で後ろを見る。いつもの冷淡な表情ではない。
ちゃんとした感情のある顔だ。白目を剥いた父がぐにゃりと崩れ落ちるのと同時に、
後ろから先程まで確かに…倒れていた凛の母親が、包丁を持っていたのだ。
「ひっ…！！」
「っつ…！」
父は最後の力を振り絞り、私の足にしがみついたが、その同時に母が包丁で２回、３回…何回も刺したことによって、しばらくすると動かなくなった。
「…おかあさん？」
「…凛、ごめんなさい」
―――ドっ！！
「――――っ！！」
包丁が「母」の胸に深々と突き刺さっている。苦痛に顔を歪ませたお母さんの何かを訴えかけるような目を、ただただ呆然と見つめることしか出来ない。母が自分からナイフを引き抜いた瞬間、上がった鮮血とともに、私の頭で何かが弾けた。私は声にならない悲鳴を上げ、身体が勝手に母の所へと駆け寄っていた。
頭の中には、「幸せ」なことしか思い浮かばなかった。
優しかったママ。
大好きだったパパ。
『あのね、私…強くなってパパとママを守れるようなヒーローになる！』
『はは、そうだなぁ…凛がヒーローか』
『ふふ、嬉しいわね。
―――早く、そんな日がこないかしら』
「ママ…！！」
横たわった母は涙を流し、私に最後に何かを伝えようとしているようだったが、それの真意を知ることは、
―――――終ぞ叶わなかった。
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名無し - 少しよろしいでしょうか? 内容は少し違うのですがこの小説に 似ていたものがありまして、 勘違いかもしれないんですけど この作品がパクられているかも、 しれません (2019年8月17日 19時) (
レス) id: 8bef809b57 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - ありがとうございます！！ (2018年3月3日 20時) (レス) id: 7d19fd6c34 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます！ (2018年2月17日 16時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒兎 | 作成日時：2018年1月15日 0時
