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角名「全然いいって顔してないよ?」
「っ…!!」
佐久早"……お前、ホントにそう思ってんの?"
ふと、中学時代の佐久早と角名くんが重なった。
佐久早"…嘘吐くなよ"
さくまったらホントにそう思ってるに
決まってんじゃん。
だって、どうせ先のことは変わらなかったんだから、自分から捨てた方が忘れられていいじゃないか。
佐久早"じゃあ、後悔すんなよ"
してないよ。うん。してない。全くしてない。
自分を壊すか、他人を見捨てるかなんてそんなの天秤にかけなくったって答えは出てる。
角名「…幡ヶ谷さん?」
"なに、それ…抜けるってどういうこと!?"
見捨てようとしたのはソッチでしょ。
だから、もう縁を切ろう。
「やだなぁ〜…いいんだよ。ぜんっぜん」
"…最低"
全然、いいよ。
角名「…そっか。幡ヶ谷さんがいいなら
俺は別に関係ないしいいけど」
「うむ。…ほんじゃね」
私は置いていたギターケースを持って教室を出た。
誰が悪いとか誰が正しいとか、多分あの時の私たちには関係なかったんだろう。
皆んな間違えてて、皆んな正しかったんだ。
私は、自分が自分で居られなくなることが怖かった。
だから私は、バンドの皆んなを捨てたし、バンドの皆んなも私を捨てた。
人の力なんて要らない。
他人の協力なんて必要ない。
私は私でいたい。
だから、曲だって一人で作ったし、一人で完成までさせていつも学校の屋上で歌っていた。
バンドを捨てても、私には佐久草と古森がいた。
佐久草は私の話を前よりも聞いてくれる様になったし、古森は曲の感想を言ってくれる。
自分じゃ分からないことでも、二人がいる。
それに、私には兄者も、刻くんがいる。
だから私には、仲間なんて必要ない。
私が欲しいのは、友達。
ただ普通に笑い合える友達。
仲間なんてものじゃなく、ただの友達でいい。
ただ、それを欲している。
翌日。
昨日は柄にもなく走って帰った為、ありもしない筋肉が悲鳴を上げてしまった。
お陰で、太腿から脹脛が筋肉痛になってしまった。
(……ったく、これもあれもスナギツネと里芋(里崎って言いたい)のせいだ)
心中でボヤキながら足を前に進める。
正門まで歩くのが面倒になり、近道をしようと体育館近くの道を歩く。
その時、
女「「「きゃあぁあぁああｯ!!!」」」
甲高い声が私の鼓膜を破くかの様に響く。
その声で、肩が跳ね上がりもしたし、声の主達に一遍文句を言ってやろうと思い振り向く。
だが、彼女達は、体育館内の何かに夢中みたいだ。
そこで湧いた好奇心。
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真弓(プロフ) - 本日初めてお話を拝見させて頂いた者です!とても面白かったです!更新楽しみにしています! (2020年8月5日 15時) (
レス) id: 9bc8ccf67a (このIDを非表示/違反報告)
りこぴん(プロフ) - 佐久草ではなく、佐久早だと思います。 (2020年6月30日 19時) (レス) id: f964e58a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2020年5月17日 22時
