ep.3「馬車馬のように働け」 ページ12
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「いらっしゃいませー」
自動ドアが開いて、入ってきたのは、30代前半くらいの女の人だった。
スーツを着ているから仕事帰りかなにかだろう。
そして私はそこでなにをしているかというと、バイトをしているのである。
場所は稲荷崎高校の近くにあるベーカリー屋。
中々人気なベーカリー屋で、高校の近くにあるという事でしょっちゅう稲荷崎の学生がここにパンを買いに来たりもする。
でも、もう7時半程だ。
朝や昼などは盛況なのだが、夜は流石に早々人は来ないし、暇である。
私はそれを狙って夜にシフトを入れてもらった。
でも、まあ。少しは人が来るし、ちゃんと働かなきゃいけないけども。
そんなことを考えていると、女の人がパンを置いたトレーを持ってレジへ会計に来た。
私は、品物の値段を機械へ打ち込み、合計を出す。
「合計で560円になりますー」
女性「…大きいのしかないんですけど、
大丈夫ですかね?」
「全然大丈夫でーす」
女性「すみません。…それならこれで」
そう言って、福沢諭吉を出してきた。
え、その財布の中に福沢諭吉は何人入ってるのかな??
お姉さんにすこぉーし見せてごらぁん??←
「お釣りが9440円になりますー。
あざっしたー」
お釣り、商品が入った袋を渡すと、その人は私に会釈を返して店を去って行った。
一仕事終わった、なんて思っていると…
店長「Aちゃ〜ん!これ、表に出しに行って〜!」
明日の仕込みでもしてたであろう店長が顔に小麦粉をつけて私にそう言ってきた。
「うぃー」
店長「それ表にだしたら、あがってええよ」
「じゃあ遠慮なく」
私は、閉店の看板を表に出しに行く。
看板はスタンド看板で、閉店と英語で書かれた裏には明日から出る新作のパンのことが書かれてある。
まあ、これは明日裏返すのだろう。
?「幡ヶ谷さん?」
背後から声を掛けられたと思い、私は振り返った。
するとそこには、北さん率いる男子バレー部の方々が立っていらっしゃったのでした。
いや、巨人多いて。囲むな。囲むな。←
(……おや!?あれは、私をブスだのマウンテンゴリラ呼ばわりしたあの阿婆擦れではないか)
私を威嚇してくる宮侑の隣には萌え袖をした宮侑の彼女と自称する(本当の彼女)百合夏菜。
北「こんなとこでなにしてるん?」
「バイトですよ〜…女神が舞い降りてきてくれた。
生きてて良かった!!」
なんて言って、ガッツポーズをする。
すると、北さんはきょとんとした顔で、こう言った。
北「なんの話や?」
え、なに。そのきょとん顔。神やん。女神やん。
「コッチの話ですよ」
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真弓(プロフ) - 本日初めてお話を拝見させて頂いた者です!とても面白かったです!更新楽しみにしています! (2020年8月5日 15時) (レス) id: 9bc8ccf67a (このIDを非表示/違反報告)
りこぴん(プロフ) - 佐久草ではなく、佐久早だと思います。 (2020年6月30日 19時) (レス) id: f964e58a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスト | 作成日時:2020年5月17日 22時