レンタル彼女。【う/ら/た/ぬ/き】 (ページ9)

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坂田「なあ、うらさん。
ライブスタジオどうするん?」

と、軽音部の部員の坂田。
今はもう昼で、軽音部の四人で、今度行うライブについて話し合っているところだ。

俺たち軽音部は、ネットでも活動をしており、"浦島坂田船"というユニットを組んでいる。
一昨日、ネットで無料ライブを行うって生配信したら結構行きたいって人がいて安心した。

センラ「なるべく、沢山の人に聞いてほしいやん?」
志麻「やなぁ。
でも、チケットとかどうすんの?」

うらた「確かに…もっと歌聞いてほしくて、ライブしようってことになったけど…そうだよな。
まずは、チケットとかそういうのが必要だよな」

センラ「特設サイトでも作って、そういうのした方が手っ取り早いんとちゃいます?」
坂田「でも、その特設サイト誰が作るん?」

そこで、四人とも黙ってしまう。

志麻「…あ!せや。
俺の知り合いで、そういうの得意な奴おるで」
坂田「マジ!?誰!?」

志麻「いとこなんやけど、無駄にコンピューターばっかやっとんねん。
学校も自由で、あんま行かん時があんねん」

うらた「まさに自由奔放って言葉似合いそう」

志麻「ちょっと俺から頼んでみるわ!」
うらた「おう。頼むぜ!まーしー!」

坂田「じゃあ、あとは、会場と選曲やな」
センラ「一つは決まってんとちゃいます?
来週から本格的に考える新曲があるやないですか」

うらた「確かにそうだな。
ほんの数曲でも、皆んなに楽しんでもらえる様なライブにしようぜ」
志麻・坂田・センラ「「「おう!」」」

その会話で、昼は終わり、軽音部の部室である元三年五組の教室の鍵を閉めてそれぞれの教室に戻った。

俺は、母さんが作ってくれた弁当を持って、まずは先に職員室に鍵を返しに行く。
まあ、放課後もあるが、部長は部室の鍵などは一回、一回職員室に戻す規則だ。

生徒会である俺が、その規則を破るわけにも行かず、渋々職員室までの道を辿る。

うらた「浦田です。鍵、返しに来ました」
教諭「あ、浦田。今日は鍵返しに来なくても良かったのに」

と、うちの部の顧問の三毛先生。
先生がライブのことを校長先生などに掛け合ってくれたおかげでライブ出来るし、ホント感謝しかない。

うらた「なんでっスか?」
三毛「俺、これから出張だから、いねぇんだよ。
だから、返すのは放課後だけでいいぞ」

うらた「分かりました」

なんて思いながらも、無駄足じゃんなんて心の中だけで愚痴をこぼした。
思っていても、言わない方が、いいかな、なんて。

(…そーいや、レンタルのこと、どうしよう)