Vol.１ ページ1
放課後の教室。
それは、まるで少女漫画的なシチュエーション。
誰もいない教室で二人きり。
彼は、日誌を書いていて、私は前の席に座っている。
黒板を消し終わった私は彼が日誌を書き終えるのを待っているのだった。
夕日に教室が染まる。
五時の鐘が、学校の予鈴と共に鳴った。
ーー「わ、…もうこんな時間か。
早く部活行かなきゃ」
「じゃあ、私、手伝うよ」
ーー「本当!?ありがと!逢瀬さん!」
ドクン。
その笑顔で、鼓動が跳ねる。
カーテンが風で靡き、二人の間に、少女漫画的なシチュエーションを……
そして私はその日。
「ーーーくん!好きです!」
……そして、12年後。
ジリリリ。ジリリリ。
「あってたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁｯｯ!!!」
第38号の目覚まし時計を起きた衝撃で落としてしまい、また壊してしまった。私。
「有り得ないｯｯ!!!」
逢瀬A。30歳。
すっかりやさぐれた大人になりました。←←
溜め息を吐きながら、リビングへ向かう。
はぁ…。次は39号だな。
今回のは一年半は保ってたのに、遂にこの時がやって来るとは思わなかった…←←
元々寝相の悪い私は、小さい頃からしょっ中、目覚まし時計を壊しては買い壊しては買いを繰り返しており、今回、一番長持ちした目覚まし時計、第38号も遂に旅立たせてしまった。←
「おはよー。菜摘」
菜摘「おはよう。お姉ちゃん。…また、目覚まし時計壊したの?」
リビングに入ると、朝食の準備をしてくれている高校三年生になったばかりの
「壊れるのが悪い」
菜摘「理不尽!」
私は高校に入ると同時に一人暮らしを始めた。
何故かそれに因んで、菜摘も付いて来て、14年前から二人暮らしをしている。
結婚しようなんて今更思ってないし、正直菜摘を一人にする訳にはいかないから、菜摘が成人するまでは一緒に暮らそうと決めている。
菜摘「じゃあ、私が学校帰りに新しい目覚まし時計買ってくるから今度こそは壊さないでよ」
「ありがと。
ちゃんとお金返すから」
菜摘「そんな…目覚まし時計ぐらいいいって。
それより、会社、大丈夫?
遅刻しちゃうよ??」
「んー。分かってるって。
それにしても社長に会いたくない」
菜摘「そんなこと言ったって…会社の社長なんだから無理に決まってるよ」
「あのクソ社長。…見とけよ。絶対あの席から引きずり下ろしてやる」
私は、社長秘書をやっており、それなりに収入は
良い方だ。
まあ、それもこれも、社長さんに感謝しなきゃいけないんだけどね。
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凛姫(プロフ) - 世界一初恋みたい……凄く面白いです！（世界一初恋は漫画です） (2020年1月13日 12時) (
レス) id: f61474f070 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 目覚まし時計38個壊したところで、笑いました！ とても面白かったです。 更新楽しみにしてます！ (2019年11月24日 17時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか(プロフ) - ストーリーの内容ものすごく好みです！更新待ってます！ (2019年11月12日 17時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
微風(プロフ) - 夢主ちゃんの性格が一瞬で変わったとき思わず吹いてしまいました(笑)頑張ってください！応援してます！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 73e14a1a4b (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - こういう系私好きです！頑張ってください！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 16f9fe16fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2019年11月2日 19時
