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34. :花巻side ページ34

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それは、数秒で、唇から離れていった。
それがキスだと、理解するまでに、数秒掛かった。
離れていくと、自分の口元を手で覆った。

花巻「…えっ、と」

冴島「貴大くんは、私の彼氏だよ。
絶対、別れてやらないから」

そう言って、入っていった冴島。
俺は呆然とその姿を見つめているだけだった。

花巻「…分かってる癖に、なんでそんなこと、
言うんだよ」

俺が、お前を好きじゃないって分かってるだろ。
なんで、キス、なんか…
言葉を失いそうになる俺は、フラつきながら、帰路を辿った。

頰には、涙が伝った。
無造作にそれを拭うと制服のズボンに手を入れる。

俺はどこで道を間違えたんだ…


月曜日。駅前10時30分弱。

冴島「おはよ!貴大くん!」
花巻「お、おはよ…すまん。少し遅れた」

もう集合の時間だというのに、残りの四人が
来ていない。

花巻「あのさ、…あとの四人は?」
冴島「もうすぐAと松川くんが着くらしいよ!」
花巻「……え?」

冴島「だから、もうすぐAと松川くんが着くっていってるの!」

お、おいおい。ちょっと待て。
岸川と、松川が来んのかよ…

冴島「あとの二人は、一人は風邪で、一人は家族での用事が出来たから来れないってさ。
…Wデート、楽しもうね!」

花巻「お、おう…」

いや、待て。
今、コイツWデートっつたか?
アイツら付き合ってねぇしっ!!!…多分だけど。

「お待たせ…ごめん。遅れちゃって」

背後から声を掛けられる。
そこには、岸川と松川がいた。

冴島「遅いじゃん!A!松川くんも!」
松川「悪いな」


神様、仏様。

どうかこの一日が、何事もなく、平和に穏便に、無事に終わりますように。←

35.神様の悪戯 :花巻side→←33.一方通行 :花巻side



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茉莉朱(プロフ) - 一気読みしました!もう感動してめっちゃ泣いてます笑笑本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年3月10日 22時) (レス) id: 97829c5418 (このIDを非表示/違反報告)
かん。 - 思わず一気読みしました!!そして今、泣いてしまっています…笑 久しぶりに泣ける作品に出会えました!ありがとうございます(^ ^) (2019年10月20日 23時) (レス) id: c004faa138 (このIDを非表示/違反報告)
COCOLO(プロフ) - え、いや、うん。大好きです(真顔) 一気読みしちゃいました笑笑 更新頑張ってください! (2019年8月14日 3時) (レス) id: 7891f327e3 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - もう、ヤバイっすね。(←語彙力)この作品が好きです!!更新頑張ってくださいネ!!!応援しています (2019年7月31日 17時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - この作品めっちゃ好きです! いつも更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2019年7月29日 17時) (レス) id: 3379e030f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チェスト | 作成日時:2019年7月22日 2時

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