29.知らない人 :花巻side ページ29
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そこにいるのは、俺の知らない岸川だった。
誰にも頼らない様な岸川が松川に、頼っているところを見ると、胸が締め付けられた。
やっぱ、さっきのって、…嘘じゃねぇんだよな…
岸川が昨日、早退したのも、顔や、腕に痣があったのは、奈緒が関係してること…なんだよな?
考えながら、二人の会話に耳を傾ける。
すると、
松川「あのさ、…」
「んー?」
松川「…俺より、花巻に来て欲しかった……?」
…えっ、はっ!?
な、ななななんで俺ェ!?
いや、でも…昨日、告白、されたし……
ってかそもそもあれ、告白として受け取って
いいのか?
岸川の答えは…
「…花巻より、松川くんに来て欲しかったよ?」
松川「え…」
「だから、松川くんが来てくれた時、タイミング良過ぎとか言ったけど、ホントは嬉しかった」
その笑顔が、心に突き刺さる。
無邪気な、小さいな子供が見せる様なその笑顔が、ただただ苦しかった。
やっぱり、昨日のは、なんかの間違いだったんだ。
だから、…希望なんて持っちゃいけねぇんだよ。
松川「……嬉しい」
この光景、傍目から見ればカップルにしか
見えない。
「松川くんって私のこと好き?」
もう、やめてくれ。
息が詰まりそう、なんだ。
松川「どうだろうね」
「なっ…そこは好きって言えよぉぉぉっ!!
寂しいじゃんか!!」
松川は言葉を濁した。
二人は、遅かれ早かれ、このまま付き合いそうだ。
そしたら、もう、…
それからも二人の会話が続いていたが、もうなにも聞きたくなかった。
考え、たくもなかった。
手当てが終わったのか、教室に戻ろうとする二人。
俺も、そろそろ戻るか。
着替えてねぇし、…それに、
松川「さっき、俺が花巻か俺かどっちに来て欲しかったって聞いただろ?」
「聞いたね」
松川「…あれって、花巻に知られたくないから?」
…んん?
「相変わらず、鋭いなぁ…松川くん」
ちょっと、待て。
状況が飲み込めないんだが。
「…そうだよ。
花巻には、知られたくないの」
松川「…なんで?」
「松川くんになら、教えてしんぜよう」
松川「普通に言えよ」
それから少し、茶番が始まったが、岸川も、松川の真剣な顔付きに変わった。
「まあーなんて言うか、…一軍の方々が私を嫌いな理由はですね…多分、主謀者の奈緒の彼氏、つまり花巻に私が手ェ出したからとか、なんとか言われててさ。
それにブスが調子乗んなとか、…そういう、感じ」
それってつまり、…俺の、せい?
俺が、…悪い。
岸川が傷ついてたのって…全部…
俺の、せいなんだ。
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茉莉朱(プロフ) - 一気読みしました！もう感動してめっちゃ泣いてます笑笑本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2020年3月10日 22時) (
レス) id: 97829c5418 (このIDを非表示/違反報告)
かん。 - 思わず一気読みしました！！そして今、泣いてしまっています…笑 久しぶりに泣ける作品に出会えました！ありがとうございます(^ ^) (2019年10月20日 23時) (レス) id: c004faa138 (このIDを非表示/違反報告)
COCOLO(プロフ) - え、いや、うん。大好きです(真顔) 一気読みしちゃいました笑笑 更新頑張ってください！ (2019年8月14日 3時) (レス) id: 7891f327e3 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - もう、ヤバイっすね。(←語彙力)この作品が好きです！！更新頑張ってくださいネ！！！応援しています (2019年7月31日 17時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！ いつも更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2019年7月29日 17時) (レス) id: 3379e030f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2019年7月22日 2時
