03.爆弾魔 ページ3
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?「お前、それ…」
7月上旬。12時40分。岸川A終了のお知らせ。
なんてものが頭の中に流れてくるのが分かった。
どうして、こんなときに、
好きな人に、タバコを吸っているのを見られるなんて、私どんだけ運ないんだよ……
「花巻……」
ソイツの名前、だった。
花巻「ここでなにやってんの?岸川」
ソイツも、私の名前を呼んだ。
「……見りゃ分かるでしょ？タバコ吸ってんの」
花巻「お前、未成年だろうが」
「…今頃私の肺真っ黒なんだろうね」
ははっ、と笑いを溢す。
話が噛み合ってる様な、噛み合っていない様な。
花巻は無言のまま、私の隣に座る。
「いいの？」
花巻「なにがだよ」
隣のヤツは私に目を向けることなく、購買で買ってきたのであろうパンを開けて食べ始めた。
「…奈緒と、食べなくて」
花巻「誘ったけどアイツ女子と食うって」
「へェ。と言うことはお誘いを振られた花巻くんは私のところへ来たわけね。可哀想に」
花巻「哀れんだ目を向けんじゃねぇよ。
それに別にお前のとこ来たくて来たんじゃねぇから
お前が俺が来たところに偶然いただけだよ」
…分かってるよ。そんなことは。
でも、こんな冗談言わなきゃ、花巻と、普通に喋れそうにないんだよ。私は。
「そーかい。
……タバコのことはなにも聞かないんだね」
花巻「聞いても面白かねェだろうしな」
「悪かったね。……そりゃツマンナイ話ですよ」
花巻「お前、昼飯は？」
「要らない」
花巻「腹、鳴ってるくせに？」
ぐうぅぅぅ…と。
盛大に聞こえた、私の中から。私のお腹から。
「…お腹空いたぁ」
タバコを床に擦り付け火を消すと、また大の字になって寝転がった。
花巻「お前ほんっっと、女子って感じしねぇよな」
「うるさいな、」
"好きな人といる時ぐらい素でいたいんだよ"
私はその言葉を飲み込んだ。
花巻「俺のメロンパンやるから、今度俺にシュークリーム奢れよ」
そう言って、白い袋の中からメロンパンを取り出し差し出して来た花巻。
「…いいよ、花巻のでしょ」
花巻「いいって言ってんだろ。それに、俺、シュークリーム食べてェし」
「それが目的かよ」
なんて言いつつ、私はメロンパンを貰った。
あげると言われてるんだし、素直に貰っといた方が後の方後悔しないで済むし。
それに、シュークリームの一つや二つ奢ってあげるのなんて難しいことじゃない。
花巻って、優しい奴…
花巻「なぁ、お前さ、」
「ん？」
花巻「好きなヤツとかいんの？」
……前言撤回。
コイツ、爆弾魔だ。
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茉莉朱(プロフ) - 一気読みしました！もう感動してめっちゃ泣いてます笑笑本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2020年3月10日 22時) (
レス) id: 97829c5418 (このIDを非表示/違反報告)
かん。 - 思わず一気読みしました！！そして今、泣いてしまっています…笑 久しぶりに泣ける作品に出会えました！ありがとうございます(^ ^) (2019年10月20日 23時) (レス) id: c004faa138 (このIDを非表示/違反報告)
COCOLO(プロフ) - え、いや、うん。大好きです(真顔) 一気読みしちゃいました笑笑 更新頑張ってください！ (2019年8月14日 3時) (レス) id: 7891f327e3 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - もう、ヤバイっすね。(←語彙力)この作品が好きです！！更新頑張ってくださいネ！！！応援しています (2019年7月31日 17時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！ いつも更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2019年7月29日 17時) (レス) id: 3379e030f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2019年7月22日 2時
