27. :松川side ページ27
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あの時、岸川には言ってないことがある。
朝練途中のことだった。
花巻が、やたらと体育館の外を気にしていた。
五本、サーブを上げ終わると体育館のドアに近づき外を見ていた。
……珍しい生き物とかいんのかな?
気にせず、練習を続けようとしたその時。
フラフラとコッチに歩み寄ってくるのが分かった。
俺は、花巻に声を掛けた。
花巻「あ…いや、ちょっと保健室行ってくるわ」
松川「え、おい!」
花巻は走って体育館を出ていった。
俺は花巻のことを何度か呼んだが、花巻は、一度も振り向くことなく、走り去った。
及川「なになに、どーしたの」
松川「…保健室行くってよ」
及川「マッキーが?珍しいもんだね」
松川「……そうだな」
俺も、ドアに近づいた。
視線を向ければ、
松川「…そういう、ことか」
岸川が昨日の様に倒れ込んでいた。
多分、花巻は痛めつけられているところを直にでも見てあんなに動揺したのかもしれないけど。
俺がしばらくそこに佇んでいた時。
俺より先に岸川に近づいて話しかけたのは、国見。
そして、国見に気づかれた俺は、タイミングだのなんだの言われたが、昨日の様に岸川をおぶって、保健室に向かった。
手当をした後俺は保健室のドアの前で足を止めた。
松川「さっき、俺が花巻か俺かどっちに来て欲しかったって聞いただろ?」
「聞いたね」
松川「…あれって、花巻に知られたくないから?」
「相変わらず、鋭いなぁ…松川くん」
なぁ、岸川。
お前は今、どんな顔をして、どんな気持ちで、
言ってるんだ?
「…そうだよ。
花巻には、知られたくないの」
松川「…なんで?」
「松川くんになら、教えてしんぜよう」
松川「普通に言えよ」
「こっちの方が面白くない?」
松川「全く」
「いや、そこは面白いって言って!
Aちゃん泣いちゃうよ?!」
松川「取り敢えず教えろ」
「まあーなんて言うか、…一軍の方々が私を嫌いな理由はですね…多分、主謀者の奈緒の彼氏、つまり花巻に私が手ェ出したからとか、なんとか言われててさ。
それにブスが調子乗んなとか、…そういう、感じ」
俺に、頼ってくれたのは、花巻には頼りたくても頼れないから、か。
「ごめん。…でも、松川くんが来てくれて嬉しかったのは本当だから」
知ってる。
分かってる。
その言葉に嘘はないこと。
松川「ありがとう」
俺は頭を撫でて、
松川「戻るか」
俺は、ベッドの方に視線を向けて、保健室のドア
を開けた。
…だってさ、花巻。
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茉莉朱(プロフ) - 一気読みしました！もう感動してめっちゃ泣いてます笑笑本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2020年3月10日 22時) (
レス) id: 97829c5418 (このIDを非表示/違反報告)
かん。 - 思わず一気読みしました！！そして今、泣いてしまっています…笑 久しぶりに泣ける作品に出会えました！ありがとうございます(^ ^) (2019年10月20日 23時) (レス) id: c004faa138 (このIDを非表示/違反報告)
COCOLO(プロフ) - え、いや、うん。大好きです(真顔) 一気読みしちゃいました笑笑 更新頑張ってください！ (2019年8月14日 3時) (レス) id: 7891f327e3 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - もう、ヤバイっすね。(←語彙力)この作品が好きです！！更新頑張ってくださいネ！！！応援しています (2019年7月31日 17時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ruru(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！ いつも更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2019年7月29日 17時) (レス) id: 3379e030f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2019年7月22日 2時
