林檎ー拙/想>1 - 角名倫太郎 (後編) ページ8
. suna side
あの女とは、やっぱり、続かなかった。
同僚の女性社員に誘われた、飲み会に行ったぐらいで、どうして女と居たのって。
飲み会に行っただけと言ってもソイツは聞く耳すら持たなかった。
だから、その関係を終わりにした。
浮気相手なんだから、嫉妬出来る立場じゃないでしょ。…なんて思ったり。
「ただいま…」
「おかえりなさい。…今日は早かったね」
「まぁね」
ほんの少し傷がついて変わってしまった程度だからこっちを捨ててもいいことはない。
「…なんか、あったの?」
鋭い彼女は直ぐに気づいた。
「なにも、ないよ」
俺が帰ってきた時は、なにか言いた気な顔をしていたけどそう言葉を返すと目を伏せた。
「…そっか」
今にも泣きそうな顔をする。
そりゃそうか。
この前、「不幸になったよ」とか「嫌い」とか真っ正面から言ったしそんな顔になるのも無理はない。
彼女は寝室に向かう。
「先に寝とくね」
「っ…待って!」
咄嗟に手を掴んだ。
「な、に?」
「この前は、ごめん。酷いこと言って。
ホントは、Aのこと、嫌いじゃないから」
こういう時、はっきり好きって言えないのは、やっぱり付き合い始めた頃とは、関係が変わったから。
結婚して、やっぱ心のどこか安心してたんだろう。
Aは俺から離れていかないって。
「…お風呂入ってくる」
「あ、…分かった」
部屋まで服を取りに行って、脱衣所に向かう。
Aは、寝室に向かった。
シャワーを浴びると、服を着て、髪をタオルで拭きながらソファに置いていたスマフォを掬う。
マンションのバルコニーに出て、手に持っていた煙草に火をつけて、スマフォの画面に映る女達の写真を見ながら、煙を吐き出す。
「…今度は誰と遊ぼうかな」
俺が最低なんて今に始まったことじゃない。
写真を一通り見終わると、寝室に向かった。
Aは、俺に背を向ける様に寝ていた。
俺も、ベッドに入ると、
「おやすみ」
そう、呟いた。
“おやすみ”、と返ってきたことを俺は知らない。
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チェスト(プロフ) - なっとう。@発酵食品さん» そうです。メーベル聴きながら話考えてて、思いつきましたw (2019年8月17日 18時) (
レス) id: 579d6c2eb3 (このIDを非表示/違反報告)
なっとう。@発酵食品(プロフ) - こういうのめっちゃ好きです…。角名くんの話ってバルーンさんのメーベルがモデルだったりしますか？ (2019年8月17日 13時) (レス) id: 83d65d7bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2019年8月1日 19時
