不幸端部 - 赤葦京治 (後編A) ページ2
. you side
私にはどこまでも不運がついて回った。
私達はまだ17。
避 .妊せず行為をするのは年齢的に考えてもやめた方がいいって分かってるけど。
「…精々、俺で苦しんでよ」
苦しそうな声で。
もう、とっくに赤葦くんで苦しんでるよ。
嫌になるくらい。
少し経てば懐 .妊することだろう。
避 .妊せず行為をするということは、そういうこと。
「お前のせいでっ…真希はっ…!!」
泣いてる。
私の頰に、覆い被さる赤葦くんの涙が落ちた。
手を回して、キスをする。
真夜中になり、シャワーを浴びる。
先にシャワーを浴びた赤葦くんは、ベッドで、寝息を立てて寝ていた。
まだ髪を拭き終わってないというのに、ベッドへと向かった。
行為をする前、赤葦くんに、真実を話した。
トラックが向かってくるところに真希の背を押して事故になるよう仕向けたことを。
赤葦くんは、黙ったまま、私のワイシャツのボタンに手を掛けた。
いいじゃない、一つくらい。
幸せを貰ったって。
彼の目尻に浮かんでいる涙を指で、拭った。
「…ごめん。赤葦くん。
…出来ちゃった」
やっぱり、そうなるよね。
帰路を辿りながら彼の隣を歩く。
赤葦くんは嬉しそうに口角を上げて言った。
「親御さんにどう説明する気なの?」
ああ、そういうことだったんだ。
「絶縁、切られるといいね」
それが目的だったんだね。
横断歩道の信号機が赤になり、止まった。
あの時みたいにトラックが勢いよく向かってきていたところを、誰かに背を押された。
その誰かは一人しか、いない。
「あ、か…あし、…く…」
伸ばした手は届かず、私はキキィーと音を立てながら止まろうとするトラックを横目に、身体に物凄い痛みが走った。
真っ赤で染まっていく視界。
届かなかったんじゃない。
振り払われたんだ。
それが分かる頃には、どこかで彼の高笑いが響いている頃だろう。
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チェスト(プロフ) - なっとう。@発酵食品さん» そうです。メーベル聴きながら話考えてて、思いつきましたw (2019年8月17日 18時) (レス) id: 579d6c2eb3 (このIDを非表示/違反報告)
なっとう。@発酵食品(プロフ) - こういうのめっちゃ好きです…。角名くんの話ってバルーンさんのメーベルがモデルだったりしますか? (2019年8月17日 13時) (レス) id: 83d65d7bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスト | 作成日時:2019年8月1日 19時